オリンパスは3月6日、大腸内視鏡画像をAIが解析することで検査中に医師の検出支援を補助する内視鏡画像診断支援プログラム「EndoBRAIN-EYE(エンドブレインアイ)」が、2024年6月より診療報酬の加算対象として明記されたことを発表した。

厚生労働省(厚労省)が3月5日に発表した「令和6年度診療報酬改定」にて「K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」の注3として「病変検出プログラムを用いて実施した場合は、病変検出支援プログラム加算として、60点を所定点数に加算する」ことが明記されたことを受けたもので、オリンパスでは診療報酬加算の適用により、大腸内視鏡診断支援AIの導入の加速と、大腸がん・ポリープの早期発見に寄与することが期待されるとしている。

EndoBRAIN-EYEは、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学、サイバネットシステムによって日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受ける形で研究開発されたAIを活用して内視鏡画像診断を支援することを可能にしたもの。臨床性能試験を経て、サイバネットシステムが2020年1月に医薬品医療機器等法の製造販売承認を病変検出用内視鏡画像診断支援プログラムとして取得、オリンパスがサイバネットシステムから国内における独占販売権を取得。オリンパス製の大腸内視鏡画像をAIが解析し、検査中にリアルタイムでポリープなどの大腸病変などを高い精度で検出し、医師の検出作業をサポートすることを可能としている。

なお、EndoBRAIN-EYEの保険医療材料区分は公的保険における診療報酬が加算されない「区分A1(包括)」の評価を有していたが、製造販売元であるサイバネットシステムが、使用実績を踏まえて保険収載後に新規機能区分の該当性について再評価を行う「チャレンジ申請」を実施、厚労省での審議の結果、評価すべき医学的な有用性が示されているとして「区分C2(新機能・新技術)」としての評価を受けている。

  • 「EndoBRAIN-EYE(エンドブレインアイ)」のイメージ

    「EndoBRAIN-EYE(エンドブレインアイ)」のイメージ (出所:オリンパス)