Microsoftは2024年2月13日にWindows 11向けのセキュリティ更新プログラムとして「KB5034765」をリリースしたが、この更新プログラムがエラーによって正常にインストールできない問題が発生しているようだ。リリースノートの既知の問題セクションによると、KB5034765のインストール中に「0x800F0922」エラーが発生して進行状況が96%のままシステム応答しなくなる可能性があるという。Microsoftは暫定的な対策を提示するとともに、根本的な問題の解決に取り組んでいると説明している。

  • KB5034765の既知の問題セクションの説明

    KB5034765の既知の問題セクションの説明

暫定的なエラーの回避方法

Microsoftの説明では、問題が発生すると、画面に「0x800F0922」のエラーコードとともに「何かが計画どおりに進まなかった。変更の取り消しを心配する必要はありません。コンピューターをオンのままにしてください」というエラーメッセージが表示されるという。

0x800F0922は何らかの理由によって更新プログラムの適用が失敗した場合に表示されるエラーコードである。例えば、ディスクスペース不足やネットワーク接続に問題がある場合などに、このエラーが発生する可能性がある。

Microsoftでは暫定的な対策として。「C:\$WinREAgent」フォルダーを削除する方法を提示している。このフォルダーは隠しフォルダーになっているため、エクスプローラーで表示する場合は、[表示]メニューから[表示]→[隠ファイル]の項目にチェックを入れる必要がある。

  • エクスプローラーでC:\$WinREAgentフォルダーを表示する

    エクスプローラーでC:\$WinREAgentフォルダーを表示する

原因はWindows 回復環境(WinRE)か?

C:\$WinREAgentフォルダーは、Windowsが起動できない場合などに使用されるWindows 回復環境(WinRE)に関連したフォルダーである。したがって、今回の更新プログラムの問題は、WinREに関連している可能性が高い。

WinREに関連した問題は、2024年1月にリリースされたWindows 10向けの更新プログラム「KB5034441」でも発生している。KB5034441はWinREに関連する問題に対処するための修正を含んだもので、更新プログラムを実行するための回復パーティションの容量が足りないことがエラーの原因とされていた。

ただしこのときは、本来はディスク容量不足を表すエラーが表示されなければならないところを、エラーコードの処理ルーチンの不具合によって別のエラーコードが表示されてしまうという問題も含んでいた(参考記事:Windows 10で更新プログラム「KB5034441」に失敗する現象が発生中 | TECH+(テックプラス))。

Microsoftは現在、KB5034765の根本的な原因の解明に取り組んでおり、今後のリリースで対策を施した更新プログラムを提供する予定だという。