楽天グループ傘下で携帯通信事業を手掛ける楽天モバイルは2月27日、つながりやすい周波数帯「プラチナバンド」(700MHz帯)において、フィンランド通信機器大手ノキアの日本法人ノキアソリューションズ&ネットワークス(ノキア社)が開発した無線機を採用し、基地局を展開していくと発表した。

  • 楽天モバイルはプラチナバンドの基地局にノキア製の無線機を採用する(写真は2023年8月開催の「Rakuten OPTIMISM」に登壇した楽天グループの代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏)

    楽天モバイルはプラチナバンドの基地局にノキア製の無線機を採用する(写真は2023年8月開催の「Rakuten OPTIMISM」に登壇した楽天グループの代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏)

楽天モバイルは、2023年10月23日に総務省より認定されプラチナバンドを獲得した。プラチナバンドは建物内や地下でも電波が減衰しにくく、つながりやすい特徴がある。同社にとって通信品質の改善には欠かせない周波数帯だった。

採用したノキア社の無線機は、小型かつ軽量であることに加え、低消費電力を実現する。新たに置換する1.7GHz帯および700MHz帯対応のアンテナへ、既存の1.7GHz帯用無線機と併設するかたちでノキア製の無線機を取り付ける。ソフトウェアを更新することで基地局の運用開始が可能になる。

  • 「プラチナバンド」(700MHz帯)においてノキア社の無線機を採用

    「プラチナバンド」(700MHz帯)においてノキア社の無線機を採用

また、楽天モバイル傘下で通信インフラを整備する楽天シンフォニーが開発する次世代分散ユニットの仮想化技術を組み合わせることで、異なるメーカーの機器を組み合わせる「Open RAN(オープンラン)」に対応する。

楽天モバイルはプラチナバンドを既存の4G・5Gの周波数帯、およびKDDIのローミング(相互乗り入れ)回線と最適に組み合わせる。プラチナバンドの利用開始時期は24年の春以降を予定。まずはユーザー数およびトラフィックの多い都市部から活用する方針だ。また、楽天シンフォニーは今後、ノキア社と協業して採用した無線機をグローバルに展開することを目指す。