野原グループは2月19日、情報メディア「BuildApp News」が2024年1月に実施した「建設業界従事者1,000人への独自調査」から、「建設2024年問題の捉え方」に関する結果を発表した。調査対象者は全国の建設業界従事者(20~70代)1000人。
建設2024年問題で悪化すると思うこと
「建設2024年問題で悪化すると思うこと」を聞いたところ、1位は「適正工期の見直しは難しいため、働き方はかえって厳しくなる(34.3%)」となった。
これに、「ますます若手入社希望者が減少する(28.0%)」、「臨時的な特別の事情がある場合がある限り、残業は減らず休暇も取れない(23.5%)」との続いている。
建設工事は、工事発注者と受注者間の契約工期内での建物完成が求めれられる請負契約である。また、長い工期設定や工期延長は費用増の傾向となることなどから、これまでは労働時間の制約なしに、突貫工事によって「工期順守による建物完成(契約履行)」にこぎつけていたこともあると言われている。
このような背景がある建設産業において、2024年4月からは、工期・費用・品質に加え「労働時間の順守」が求められる。これこそが、「時間外労働時間の上限規制」が「建設2024年問題」と言われる理由であり、対応の難しさが伺えると指摘されている。
建設2024年問題と人手不足・採用の今後
建設2024年問題の内容を「詳しく知っている」「聞いたことはあるが詳細までは把握していない」と回答した843人に、「建設2024年問題対応が始まることで、人手不足・人材採用の状況が変化すると思うかを聞いたところ、「よくなっていくと思う」という回答は6.9%にすぎず、「変わらないと思う」が47.8%、「悪くなっていくと思う」が45.3%という回答結果となった。
事業規模別にみても、中小・大手企業ともに「良くなっていくと思う」との回答は1割にも満たず、大手企業は「悪くなっていくと思う(49.1%)」が5割近い結果となったという。