ソフトバンクは1月30日、AI(人口知能)開発に欠かせない教師データを作成するアノテーションサービスに、チャット形式でプロンプト(作業指示文)を入力することでアノテーションを指示できる機能を発表した。

アノテーションとは、AIの開発において機械学習モデルの構築に必要となる教師データを作成するために、画像やテキストなどあらゆる形態のデータにタグを付ける作業のこと。

ソフトバンクは今回、同社が手掛けるアノテーションサービス「TASUKI Annotation」において、読み込んだ画像を見ながらプロンプトを入力できるインタフェースを採用した。 これにより、例えば、下のサンプル画像に対して、チャット形式で「泳いでいるペンギン」という文章を入力すると、画像内のペンギンに対して作業ツールが自動でアノテーションを行う。

  • サンプル画像

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輪郭をセグメンテーションする細部の正確さを問われるタスクの場合、一つのアノテーションでも負担の大きい作業となる。しかし同機能により、プロンプトを実行するだけでポリゴン(画像の中の物体の領域を多角形で囲うアノテーション手法)を作成し、作業を完了させることが可能になるとのこと。

同社によると、同機能の先行利用例では、1カ月で1万3700回の処理リクエストがあり、1データあたり平均40分の作業が2分まで短縮され、95%におよぶ工数削減につながったという。年換算では600人月に相当し、従来の労働集約型なアノテーション作業の効率化が図れるとしている。