DX支援プラットフォーム運営のユーティル、総額5.4億円の資金調達 事業領域の拡大目指す

企業のDX支援プラットフォームを展開するユーティルは12月15日、KUSABI1号投資事業有限責任組合、Chatworkを引受先とする第三者割当増資と、商工組合中央金庫、日本政策公庫、三井住友銀行などからの融資により、総額5.4億円の資金調達を実施した。調達した資金は、事業領域の拡大に向けた人材採用の強化などに活用する。

ユーティルは、中小企業を中心としたDXへの取り組みを支援するため、Web制作に関する相談カウンター「Web幹事」、動画制作に関する相談カウンター「動画幹事」、システム開発に関する相談カウンター「システム幹事」、営業代行に関する相談カウンター「営業幹事」などのプラットフォームを展開している。

これらのサービスを通じた相談件数は順調に伸びており、2023年11月時点で相談件数は3万5000件、受注総額は35億円を突破した。

このほど、KUSABI1号投資事業有限責任組合、Chatworkを引受先とする第三者割当増資と、商工組合中央金庫、日本政策公庫、三井住友銀行などからの融資により、総額5.4億円の資金調達を実施した。

今回の資金調達により、さらなる事業拡大に対応した人材採用の強化を図るとともに、より幅広く中小企業のDX推進を支援できるよう、相談領域の拡大や事業開発の一層の加速を目指す考えを示した。

【投資家からのコメント】

・KUSABI 代表パートナー 渡邉佑規氏

エクイティ・グロースストーリーのすり合わせに数カ月を要し、満を持してリード投資させて頂きました。ユーティル社は、SMBのデジタル・DX化というビッグテーマの攻略に真正面から切り込める数少ないプレーヤーと認識しています。ユーティル社の今のビジネスモデルは足がかりでしかありません。この先、2~3年で進化させます。もしかしたら、一見、手堅い会社(投資)のように見えるかもしれませんが、そのような意図はなく、大海へ大物狙いに出たつもりです。ユーティル社、および岩田さんの成長可能性に関する奥深さは計り知れないものがあります。この先、その可能性が顕在化することが楽しみでなりません。兵糧も確保できていますので、ぜひ大きなチャレンジをしたい方、協業可能性がある金融・事業会社の方は門を叩いて頂きたいです。

・Chatwork 取締役COO 福田升二氏

DXによる生産性向上の重要性が高まる中、多くの中小企業においてはそれを実現するための知識とリソースが不足しています。ユーティルは1社1社の顧客課題に丁寧に向き合い、無料かつ迅速に適切な専門業者をマッチングするネットワークとノウハウを有しています。ユーティルのサービスは「Chatwork」ユーザーにおいても強いニーズがあるものと考え、このたび出資させていただきました。今後の事業提携により、「Chatwork」ユーザーを含む多くの事業者に対して更なる価値提供を進めて参ります。

・商工組合中央金庫 池袋支店 東純平氏

ユーティル様が提供するソリューションは、中小企業の人手不足解決や生産性向上に貢献し、政府が推進する産業界のデジタルトランスフォーメーションを後押しするものであると考えております。この度、商工中金は、綿密な対話を重ねるなかで、ユーティル様のサービスが中小企業の人手不足や生産性向上に貢献する社会的意義のあるソリューションであると考え、今回のサポートを実施しました。商工中金は社会課題を解決しようとするスタートアップのサポートに注力しています。引き続き、地域金融機関や関係機関と連携しながら中小企業の企業価値向上を実現出来るよう尽力してまいります。