惜しまれつつも昨年1月に閉店した東急百貨店本店だが、存続要望の多かった即配サービスのリバイバルなどサイボウズのノーコード・ローコード開発ツール「kintone」が東急百貨店DX推進プロジェクトに一役買っている。サイボウズが18日に発表した東急百貨店の「kintone」活用事例では、個人や企業ユーザーに出向いて個別に物やサービスを販売する外商事業部が、台帳で管理する顧客情報をkintoneでアプリ化。これを皮切りに各部が連携し、情報システム部担当者が商品注文後翌日までに商品が自宅に配送される「即配システム」を構築する様子を紹介している。

kintoneを活用した食料品の即配システム

  • システムの概要(同社資料より)

システムは、外商員が電話で注文を受けkintoneに注文情報を登録すると登録受注情報をもとに渋谷 東急フードショーの店舗スタッフが商品をピッキングして発送、グループ会社のドライバーが商品を配送するもので、申請・承認などにフローでも用いられるkintoneのステータス管理機能をうまく活用することで要望が多かったという「食料品即配システム」のリバイバルを実現。サイボウズでは、導入事例として公開している。

情報システム部門では内部統制系のテストをeラーニング化することで受講率100%を達成するなどkintoneでの実績を重ねているが、東急百貨店 経営管理室 情報システム部 担当部長の光山氏が"今後はB2B、B2Cの領域拡大やkintone保有データのAI分析などさらなる用途拡大もしてみたい。非IT部門が使ってこそのkintone"と述べるようにひとつの非IT部門現場でのノウハウや知見がローコード・ノーコードによりデジタル化されることでシステム部門へと広がり大きな成果へと繋がる事例だ。