NECは12月12日、同社の経営の方向性の理解促進に向けて、同社の社長 兼 CEOの森田隆之氏のグループインタビューを開催した。インタビュー当日は、記者からぶつけられるさまざまな質問すべてに真摯に対応した森田氏。本稿では、生成AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)など、さまざまな事業を進めた2023年の振り返りと2024年に向けた抱負を中心にインタビューの様子を紹介する。
社内・顧客・社会の三方よし 「クライアントゼロ」で進めるDX領域が好調
最初に、「2025中期経営計画」の折り返し点として、3つの成長事業(デジタルガバメント/デジタルファイナンス/グローバル5G、コアDX)について質問を受けた、森田氏は以下のように回答した。
「2025中期経営計画が終わると、次のフェーズは日本で存在感を示すとともにグローバルでの位置づけを明確にする3~5年になると思います。その意味での中間地点として順調に来ているのではないかと考えています。上手くいっているもの、苦労しているものがありますが、事業を行っているとさまざまな変化が起きます。その変化に対して相応のスピードで対応できているか、という点で言えば、満点ではないが、ぎりぎり及第点をもらえる状態ではないかと思います」(森田氏、以下同氏)
各事業を及第点と語った森田氏だが、その中でも特に2022年のNECと比較して、飛躍したと感じているのは「DX領域」だという。
NECでは2023年に日本発の生成AIを提供開始したのに加え、「クライアントゼロ(自社をゼロ番目のクライアントとするNECの考え方)」として進めた社内のDXについても基幹システムの刷新を行い、今年5月に稼働開始して以来、データドリブン型の経営を進めている。森田氏は、これらの内容に対して自信を持って飛躍したポイントだと話した。