識学が12月4日に発表した「派閥に関する調査」によると、20代~50代の会社員の52.7%が社内の派閥について「あった方が良い」と回答する一方で、50.0%が派閥のため「円滑に業務ができない」と感じている。

同調査は同社が10月17日~23日にかけて、20歳~59歳の会社員を対象に実施したものであり、有効回答者数は300人。職場での派閥の有無については、22.2%があると回答した。

  • 職場での派閥の有無 出典: 識学

どのような派閥が存在しているか聞くと、出身校同士のグループによる学閥が48.0%と最も多く、「所属する部や課による派閥」が44.3%で続く。「社長派・専務派などの上長が形成する派閥」は、20代が最も低く、年代が上がるにつれて増加傾向にある。

  • どのような派閥があるか(複数回答) 出典: 識学

派閥についてどう思うかでは、「あった方が良いと思う」が17.7%、「どちらかと言えばあった方が良いと思う」が35.0%で、計52.7%が肯定的に考えている。

  • 職場の派閥をどう思うか 出典: 識学

派閥が業務に及ぼす影響を尋ねたところ、「派閥によって円滑に業務ができると思う」は39.3%で、「派閥によって円滑に業務ができないと思う」が50.0%、「派閥による影響はないと思う」は10.7%だった。「派閥はあった方が良い」と考える回答者は多いものの、円滑に業務はできないという矛盾が生じていると同社は分析する。

  • 業務への派閥の影響 出典: 識学

派閥が出世に関わると思うか聞くと、「関わると思う」が74.0%を占めた。

  • 派閥の出世への影響 出典: 識学

派閥を抜けたいと思うことがあるか質問したところ、「抜けたい思うことがある」が63.3%に上る。

  • 派閥から抜けたいと思うか 出典: 識学

派閥同士の敵対の有無では、「派閥同士が敵対している」との回答が57.0%あった。

  • 派閥間で敵対しているか 出典: 識学

派閥は無くなると思うかを聞いたところ、「派閥はなくならないと思う」が81.3%を占めている。

  • 派閥は無くなると思うか 出典: 識学

調査結果を受けて同社は、派閥があった方が良い理由は、コミュニケーションやサポート、協調性の面からあった方が良いというだけで、派閥でなければならない理由は無かったと見る。

派閥が業務の円滑化を妨げていたり、派閥同士が敵対をし、抜けたいと思う回答者が過半数を占めることから、派閥とは大きな矛盾の中で、あった方が良いとされているだけではないかと指摘する。また、派閥が大きく関わるとされた出世についても、その逆の論理で、出世できるから派閥があった方が良いとはならないはずだという。

コミュニケーションやサポート、協調性が派閥という存在で保たれるのではなく、円滑な社内整備によって保たれ、また出世についても、どの社員に対しても平等で明確な評価指標を設けることで、今後派閥という存在が徐々に小さくなっていき、やがて淘汰されていくのではないかと、同社は推測している。