日本電信電話(以下、NTT)とソニーは11月13日、放送局や編集拠点、催事場などの多拠点間における広域リモートプロダクションプラットホームの形成、およびその発展に向けた連携協定を締結したことを発表した。

両者はこの協定を通じて、放送設備の共有化やIP化、クラウド化による、運用管理のコスト低減とコンテンツ制作のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指すとのことだ。さらに、コスト上の理由からこれまで届けることができなかった地方のスタジアムやライブ会場のコンテンツ配信など、より多くのコンテンツの提供による顧客体験向上にも貢献する。

NTTはIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)のAPN(All-Photonics Network)の技術開発に取り組んでおり、光レイヤーのパス接続の上で、IP対応装置の通信をマルチデバイス・マルチプロトコルで送信可能となる。また、4Kや8Kの映像も遅延ゆらぎなしで通信することにより、IP対応装置間の(Precision Time Protocol)などによる高品質な同期も可能になる。

一方のソニーは各放送局の設備をIP化、およびクラウド化する「次世代放送局」の構想を掲げており、次世代ライブ制作ソリューション「Networked Live」を提供する。同ソリューションはオンプレミスやクラウドなどさまざまな場所にあるリソースを活用して、ワークフローの効率化と柔軟性を支援する。

ソニーの映像制作用商品やソリューションと、NTTが持つ大容量かつ低遅延な広域ネットワークを組み合わせた技術検討を両社で進め、リモートプロダクションプラットフォームの形成を実現するとしている。

  • 「Dell ObjectScale XF960」

    「Dell ObjectScale XF960」