NTTデータグループが11月6日に発表した2023年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比52%増の2兆785億円だった。海外向けにデータセンターやネットワークなどのITインフラを提供するNTTリミテッド(NTT Ltd.)の連結拡大や、日本セグメント・欧州における規模拡大および為替の影響などにより増収した。

  • 2023年4~9月期の連結決算概要

    2023年4~9月期の連結決算概要

受注高は81%増の2兆1666億円で、中央府省や地域金融機関向けの大型案件を獲得などにより前年同期から9719億円増加した。営業利益は13%増の1219億円だった。海外セグメントにおける統合費用や構造改革費用の増加はあるものの、NTTリミテッドの連結拡大の影響などに伴い増益だった。

一方で、NTTリミテッドの連結拡大に伴う金融費用などが増加したことにより、純利益は前年同期比27%減の530億円だった。

NTTは11月1日、生成AI(人工知能)の基盤となる大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi(つづみ)」を自社開発し、2024年3月からNTTデータを通じて商用サービスを開始すると発表した。NTTデータは生成AIの推進と統制を適切に組み合わせつつ、生成AIコンサルティングと生成AIアセットの提供を加速させていく考え。トヨタ自動車をはじめとした複数の共創プロジェクトをグローバルで推進しているとのこと。

同日の決算説明会に登壇した代表取締役社長兼CEOの本間洋氏は「生成AIに関して、今年度、顧客との共創プロジェクトを30件以上立ち上げる予定で、10を超える生成AIアセットを整備する。また全社員への生成AI活用も推進し、最大70%開発生産性を向上させる。社内外問わずtsuzumiも積極的に活用していく」との方針を示した。

2024年3月期通期の連結業績に関しては、売上高、営業利益、純利益それぞれ前年同比18%増の4兆1000億円、13%増の2920億円、4%減の1440億円と従来予想から据え置いた。