識学は10月30日、「"ブラック企業"に関する調査」の結果を発表した。これによると、38.6%の会社員がブラック企業で働いた経験があるという。
同調査は同社が9月20日~22日にかけて20~59歳の正社員を対象にインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は300人。
ブラック企業に勤めた経験の有無を尋ねると、「現在勤めている会社がブラック企業だと思う」が18.2%、「過去に勤めていた会社がブラック企業だった」が23.2%で、計38.6%(重複回答を除く)がブラック企業に勤めた経験があると回答した。
不正行為や違法行為を含むブラックな指示を会社から受けた場合に従ってしまうか否かを聞いたところ、「指示に従う」が6.1%、「仕方なく指示に従う可能性がある」が50.2%で、計56.3%が仕方なく指示に従う可能性があると回答している。
ブラック企業に勤めた経験があるか勤務中の回答者に、どんなことにブラックだと感じたか質問すると、「離職率が高い」が44.0%と最多であり、この他「長時間労働(残業が多いなど)」(39.7%)や「サービス残業(残業代が出ない)」(38.0%)など、就業時間に関する項目が上位に挙がった。
また、それぞれの項目の詳細を聞いたところ、会社の空気感や雰囲気がブラックと言えるものと、明らかに違法と言えるものの2つに分類できたという。
ブラック企業での勤務経験がある回答者に、勤務先で相談できたか尋ねると、「相談しなかった」が79.0%に上った。
相談した人にその結果を聞いたところ、「変わらなかった」(「改善の動きはあったが変わらなかった」と「何もしてくれなかった」の合計)が82.5%を占める。
なお、相談しなかった理由は「相談しても意味がないと思ったから」が66.2%で最も多い。
どのような対策があればブラック企業を生まないと思うか尋ねると、「コンサル会社など第三者に介入してもらう」が41.0%と最多であり、以下「有給休暇を取りやすくする」(31.3%)、「ルールの設定」(29.0%)が続く。
ブラック企業の改善には、働きやすさの改善を内部から行っていくことに加え、コンサルなどの第三者の外部がメスを入れ、そこから明確なルールを設定することが求められるようだと、同社は推測する。
ブラック企業へ就職しないため事前にチェックすべき項目を聞いたところ、「離職率」が48.3%と最も多く、以下「勤務先の人の雰囲気」(44.7%)、「休日日数」(38.7%)、「労働時間」(37.3%)、「給与体系や給与水準を見る」(37.0%)、「Webサイトで公開している元社員の口コミ」(28.0%)の順だった。
調査結果について同社は、ブラック企業へ勤めないようにするには「就業時間」や「休日日数」といった、募集要項などで事前に確認できるものは必ずチェックした方がいいと指摘している。また、その企業はどのようなシステムで評価され昇給していくのか、ブラックを生まないための対策として挙がった『ルールの設定』や『評価システム』についても併せて確認することも重要とのことだ。