アドビは10月26日、全国の15~65歳の男女900名を対象にした、「XYZ世代間 (X世代:40-65歳/Y世代:25-39歳/Z世代:15-24歳)のAIに対する意識と使用実態調査」の結果を発表した。これによると、生活の中で目に触れる生成AI(人工知能)の比率ではZ世代が最多であり、使用状況では、どの種類の生成AIにおいてもY世代の利用経験が最も多い。
同調査は同社が7月5日~6日にかけて、全国の15歳以上65歳以下の男女を対象にインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は900人(世代・男女別に均等割付)。生成AIに関する世代別の認知状況を見ると、「言葉の意味を知っている」「意味は知らないが、言葉を聞いたことがある」を合わせ、X世代で68.4% 、Y世代で67.4%、Z世代で59.4%であり、X世代での認知度が最も高い。
生活の中で目に触れる生成AIの比率は、Z世代では40%以上との回答が計20.0%を占め、Y世代より4.7ポイント、X世代より9.7ポイントそれぞれ高かった。
文章生成AI、画像生成AI、動画生成AI、翻訳生成AIそれぞれに関する使用経験では、どの種類の生成AIにおいてもY世代の利用経験が最も高い。特に画像生成AIでは、Y世代では「使っている」と「使ったことはあるが、現在は使っていない」が合わせて23.0%であり、Z世代よりも3.6ポイント、X世代よりも16.3ポイント、それぞれ高くなっている。
この結果は、アメリカで実施した「アドビ未来の働き手調査(Adobe Future Workforce Study)」の「職場での生成AI使用について、Z世代は慎重なアプローチをとっている」という結果と重なるという。テクノロジーに強いと思われがちなZ世代だが、その多くは生成AIといった新しいテクノロジーに関して慎重なアプローチを取っていると、同社は見ている。
生成AIに対するイメージでは、Z世代とY世代の意識が近い傾向だったという。「面白いコンテンツを生み出すもの」がZ世代で39.0%、Y世代で34.0%とそれぞれの世代で最多となり、「仕事を手伝ってくれるもの」「簡単に情報を検索してくれるもの」が続く。
X世代では、「仕事を手伝ってくれるもの」が37.3%で最多でなり、以下「簡単に情報を検索してくれるもの」「情報を検索してくれるもの」の順だった。
生成AIを通し自分のクリエイティビティが向上すると思うかを尋ねると、全体では「向上すると思う」が9.9%、「やや向上すると思う」35.6%で、計45.5%が向上すると回答している。
なお、向上すると思う/やや向上すると思うという回答者は、生成AIの使用に抵抗を感じる人では計57.8%と全体平均を上回った。
調査結果について、同社デジタルメディア事業統括本部 DX推進本部 常務執行役員 兼Chief Digital Officerの西山正一氏は、「昨今、生成AIに関する話題を目にすることが多くなっております。この度の調査を通し、X世代では仕事を手伝ってくれるという生産性向上するものというイメージが強い一方で、より若い世代では面白いコンテンツを生み出すもの、というイメージが強いことから、生成AIの役割や期待がより広範囲にわたっていると感じています」とコメントしている。