花王は10月26日、兵庫県養父市山間部において、重量運搬ドローンの自動運行技術を用いた一括輸送と、自動搬送ロボットと連携した配送無人化を狙う実証実験を9月28日に実施し、一定の検証結果を獲得したことを報告した。

今回の実証では、養父市協力のもとで、スーパーセンタートライアル養父店から山を隔てた直線距離で約2キロメートルの養父市立養父中学校中庭部分までの区間において、山間地域や過疎地域の商店までの物資の一括供給を想定した飛行を行った。

推奨最大20キログラムまで載可能な大型ドローンを用いて約15キログラムの日用品を一括輸送することに成功し、山越えにおける電波の安定性と、商品を積載したドローンの飛行安定性についても確認できたとのことだ。

同社は今回の実証実験で得られた知見や検証結果をもとにして、今後もドローン技術の特性に合わせた実証実験を継続的に実施する方針だ。11月には岐阜県中津川市において複数機のドローンの編隊飛行によって大型荷物を輸送する実証実験を行う予定。さらに、2024年には海上ルートを利用した長距離ドローン輸送による時間短縮と効率化に向けた実証実験も計画しているという。

  • 養父市の上空を飛行するドローン

    養父市の上空を飛行するドローン

  • ドローンの到着後は自動配送ロボットが無人配送を行う

    ドローンの到着後は自動配送ロボットが無人配送を行う