NTT コミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月12日から13日にかけて、ドコモビジネスブランドで展開する法人向けソリューションを一挙に紹介する「docomo business Forum'23」を、ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)で開催中だ。

コロナ禍でのハイブリッド開催を経て、今回は実に4年ぶりに現地に多くの人を招いての開催となる。会場には社会と企業のサステナビリティをテーマとしたソリューションが集められ、「ビジネスコラボレーション」「従業員エクスペリエンス」「企業プラットフォーム」の3つの軸で各ブースが並ぶ。

  • 会場マップ

    会場マップ

本稿では同イベントから、基調講演に登場したNTT Com 代表取締役社長 社長執行役員 丸岡亨氏のスピーチをお届けしたい。講演タイトルは「つなげ、ビジネス。~サステナブルな社会を共創するドコモビジネス~」だ。

  • NTT Com 代表取締役社長 社長執行役員 丸岡亨氏

    NTT Com 代表取締役社長 社長執行役員 丸岡亨氏

先般のNTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアの統合により新ドコモグループが誕生したのだが、同グループにおいてNTT Comは法人事業を担う。以前からNTT Comとして顧客基盤を持っていた都市部の大企業に加えて、今後はNTTドコモが持っていた地域の中小企業の支援も強化する方針だ。

これにより、固定網のICT基盤だけでなく、ドコモブランドのモバイル回線や、dポイントを中心とする会員基盤、データ基盤も利用できるようになる。そこで同社が打ち出しているのが、従来のソリューションに加えて5Gなどのモバイルソリューションと、アプリケーション、クラウド基盤などもワンストップで提供するという「統合ソリューション」である。

同社の統合ソリューションと顧客企業との共創を促す場として、同社は大手町(東京都千代田区)にワークプレイス「OPEN HUB Park」を開設した。今後はドコモ5Gオープンラボ OSAKA(大阪府大阪市)やCROSS LAB Nagoya(愛知県名古屋市)とも連携し、距離や環境を超えた共創を促す。

  • OPEN HUB Parkを起点とした共創を活性化させる

    OPEN HUB Parkを起点とした共創を活性化させる

新ドコモグループの法人向けビジネス「ドコモビジネス」は、3社の統合によって、全国8支社44支店へと営業基盤を拡大した。さらに、全国のドコモショップには企業アドバイザーを配置し、法人向けの相談なども受け付けている。

これに加えて、ドコモビジネスオンラインショップやビジネスdアプリなど、オンラインの窓口も設けている。

「皆様のお悩みややりたいことを持ち込んでいただき、ぜひ一緒に課題解決を進めていきたい」と、丸岡氏は会場の来客に呼びかけていた。

  • ドコモビジネスの営業拠点

    ドコモビジネスの営業拠点

さらに同社は、国内のみならずグローバルにも顧客基盤を広げる方針だ。NTTデータグループでグローバル通信事業を手掛けるNTT Ltd.(NTT Limited)と共にIoTやネットワークを展開するとのこと。NTT Comは7月に、BMWとグローバルで提携する契約も締結した。

  • グローバルでの展開も進めるという

    グローバルでの展開も進める

同社はこのほど、ゼロトラストによる安全なICT環境の実現と多様な働き方を支援する統合型ネットワークサービス「docomo business RINK」と、液冷方式のサーバにも対応可能な省エネ型のデータセンター「Green Nexcenter」を発表した。

このように、同社はサステナブル社会の実現に資するソリューションを展開し、地球環境と企業の持続可能性を支援するとのことだ。

講演の最後に、丸岡氏は生成AIやLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を使ったコミュニケーションAIについて、以下のように述べていた。

「これからのAIは、人間の脳が部位ごとに異なる機能を持つように、生成AIなども含めてさまざまな機能を持ったAIがつながるようになっていくはず。用途に応じて適材適所にAIを組み合わせながら良いものを提供していきたい。将来的にはNTTグループが開発しているIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)技術ともつながるようになれば」

  • 複数のAIをつないだコミュニケーションAIなども構想しているようだ

    複数のAIをつないだコミュニケーションAIなども構想しているという