野村不動産とスタイルポートは10月4日、スタイルポートが実施した第三者割当増資(新たに株式を発行することを通じて資金を調達する手法の1つ)の一部を野村不動産が引き受けるとともに、野村不動産の住宅事業領域における顧客体験のデジタル化に向けたシステム開発に関する業務提携を行うことで合意したことを発表した。

スタイルポートは、未竣工の建物や、アクセスが不便な立地にある建物を仮想空間上にデジタルツインとして再現し、誰もが空間イメージや図面や地図などの物件検討時の情報共有を可能にする空間コミュニケーション・プラットフォームである「ROOV(ルーブ)」を開発・提供している。

野村不動産は、新型コロナウイルス感染症拡大による外出制限を契機に始めた、住まい探しのデジタル化推進の一環として、2022年より「ROOV compass」を分譲マンションシ・戸建シリーズ「プラウド」の全物件に導入し、販売資料のデジタル化・クラウドプラットフォーム対応を行うとともに、VR内覧システム「ROOVwalk」についても多くの物件で導入している。

これによりオンラインとオフラインでの営業活動での情報格差を是正し、顧客接点をデジタル化することで、より顧客が利用しやすく、分かりやすい物件説明の実施を実現した。

  • ,住まい探しのフェーズにおける ROOV の活用イメージ

    住まい探しのフェーズにおける ROOV の活用イメージ

両社は今回の提携を通じ、両社が保有する知見・ノウハウを活用し、さらにROOVを進化させていくことで、両社の事業機会と価値創造の拡大を目指す方針。

特に住宅事業領域の営業活動において、野村不動産の強みである個に寄り添う姿勢をデジタル技術で具現化し、顧客接点をより強固なものにするとともに、分譲住宅販売におけるDXのインフラとなりつつあるROOVを進化させることにより、営業手法の新たなスタンダードを確立していく構え。