東急不動産や東急リバブルなど5つの事業会社を傘下に持ち、都市開発、戦略投資、管理運営、不動産流通の4事業を展開する東急不動産ホールディングス(HD)は、現在新たな価値を創造すべくDXを推進している。
8月2日~18日に開催された「ビジネス・フォーラム事務局×TECH+ EXPO 2023 for Leader DX FRONTLINE ビジョンから逆算する経営戦略」に、同社 グループDX推進部 統括部長である青木貴弘氏が登壇。東急不動産HDが推進するDXについて、グループ各社が実際に取り組んでいる事例を交えながら説明した。
ビジネスプロセス、CX、イノベーションの3区分でDXを推進
講演冒頭で青木氏は、同社の「中期経営計画2025」の中軸の1つとして、DXを推進していると述べた。「Digital Fusion」をキーワードに、あらゆる生活シーンの融合、オンラインとオフラインの融合、事業・組織の枠を超えた融合など、デジタルの力であらゆる境界を取り除くことを目指していると言う。
その上で、3つの区分でDXを推進している。1つ目は業務変革のために業務を抜本的に見直し、省力化を推進、リソースを創造的業務にシフトすることを目指す「ビジネスプロセス」だ。2つ目はリアルとデジタルの融合により、顧客にパーソナライズされた感動体験を提供する「CX」である。3つ目は事業変革により新たなビジネスモデルを構築し、加速度的な成長を目指す「イノベーション」だ。
東急不動産HDでは、DXによる価値創造のストーリーを3つの区分で描いている。まず、業務基盤でBPRの推進やデジタルツールの導入、システム連携などを行って業務のスリム化を目指す。これによってリソースを創造的業務へ転換する狙いだ。
その上で、グループ間の連携、パートナーとの共創などによってビジネス機会を獲得し、新たな事業やサービスを開発していく。そして、そこで生まれた多彩な事業やサービスを活かして顧客との接点を最大化し、新たな感動体験を創出するという流れである。
このような同社の取り組みが認められ、2023年には、経済産業省および東京証券取引所から「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」にも選定された。