ソフトバンクと東京大学は9月20日、量子コンピュータの社会実装に向けた共同研究を開始したと発表した。ソフトバンクは東京大学が運営する「量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII協議会)」に加盟し、産学でより密に情報交換を行うことで、量子コンピューティング技術を事業で活用できるように研究開発を進める。

また、「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(KBIC)」で稼働予定の、127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピュータ「IBM Quantum System One」を活用して新たなユースケースの発掘を進めていく考え。100超の量子ビットを備えた量子コンピュータは、従来型のコンピュータ(古典コンピュータ)では計算できなかった複雑な問題の解決を可能にすることが期待されているという。

具体的には、量子ビット数の増加の効果とそれによって解決できる課題の検証、NISQ(ノイズがある中規模の量子コンピュータ)のアルゴリズムとエラー抑制技術の組み合わせによる実用的な問題への対応など、社会実装に向けた研究をより一層加速させる。

また、5G(第5世代移動通信システム)や6G(第6世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)などのモバイル技術と量子コンピューティング技術を連携させる研究も進めていく考えだ。