Microsoftは9月15日(米国時間)、Outlook Blog「Reactions in Outlook: Public usability update September 2023」において、Outlookで電子メールでの反応を禁止するオプションを間もなくリリースするとアナウンスした。
Outlookには、受信したメールに対して簡単に返事ができる「リアクション」機能が提供されている。これに対し、Microsoftは、送信者が明示的にリアクションを拒否し、受信者側のクライアントでリアクションボタンを非活性にする機能の展開を始めているという。
Outlookのリアクション機能は、受信したメールに対して、絵文字や「承知しました」などの定型文をワンタッチで返すことができる機能。Gmailなどの他のメールサービスでも提供されている機能で、メールを受け取った事実だけを簡易的に送信者に伝えたいような場合に重宝する。
しかし、本来は意味のある返信をもらいたいにもかかわらず、受信相手からリアクションだけを返されてしまうと困ったことになる。そこでMicrosoftでは、送信しようとしている電子メールに対して「リアクション機能を禁止する」オプションを設定できるようにすることで、この問題に対処しようとしている。
このオプションを設定すると、メールのSMTPヘッダに「x-ms-reactions: disallow」のタグが付加されるようになる。受信側のOutlookクライアントでは、このタグが付けられたメールに対しては、リアクションボタンがグレー表示されてクリックできなくするという。
さらに、「x-ms-reactions: disallow」がセットされているにもかかわらず、何らかの理由(グレー表示のアップデートが適用されていない場合など)でリアクションが返せてしまった場合でも、メールサーバ側で送信を失敗させることで、リアクションによる返信を防止するとのこと。
メール送信時にUIを使用してリアクションの禁止を設定する機能は、最初にOutlook on the Webと新バージョンのOutlook for Windows にリリースされ、その後ほかのOutlookクライアント向けにもリリースされ予定となっている。その他に、管理者がメールフロールールを設定してSMTPヘッダに自動的に「x-ms-reactions: disable」タグを付与し、一律でリアクションを禁止することもできる。
Microsoftではさらに、電子情報開示(eDiscovery)シナリオにリアクションに関する情報を含めるようにサポートを強化中だという。電子情報開示シナリオでのサポート向上は2023年末までに展開される予定とされている。