メディアドゥは9月7日、マイナンバーカードに特化した行政分野のデジタルIDソリューションである「xID(クロスアイディ)」を提供するxIDと連携し、電子図書館サービスの利用登録とログインについて、マイナンバーカードを使用したアプリ認証により完全オンライン化を実現すると発表した。同社によると、同様の取り組みは全国初とのこと。

  • 両社のロゴ

xIDアプリでのマイナンバーカード認証を、メディアドゥが国内展開する電子図書館事業である「OverDrive Japan」に導入することで、全ての登録手続きがオンラインで完結する。

これにより、利用者は窓口を訪れることなく、即座に電子図書館を利用可能になる。加えて、xIDアプリで生体認証を含む多要素認証が実装できるため、セキュリティと利便性、公平性を担保した利用が実現するとしている。

今回の連携による電子図書館サービスは、マイナンバーカードの活用事例として「デジタル田園都市国家構想交付金」の対象事業となっているといい、2023年10月以降、福島県昭和村、岐阜県美濃市、茨城県五霞町の3市町村で初めて導入する予定だ。

  • 時間削減のイメージ

両サービス連携により、メディアドゥの電子図書館サービスを導入する自治体は、マイナンバーカードを活用したxID認証が実装可能になる。

従来の図書館訪問のための移動時間や窓口での手続時間を勘案すると、住民1人当たり60分以上の時間削減を見込めるといい、すぐに電子図書館を利用したいというニーズへの対応に加え、削減した時間を余暇などに充てられるとしている。また、図書館職員の業務負荷軽減にもつながる。

  • ログインのイメージ

利用者登録時に加え、電子図書館サービス利用時のログインに多要素認証のxID(政府ガイドラインの保証レベル2以上)を実装することで、セキュリティと利便性の向上の両立を実現できる。

従来のID/パスワードでのログインには、なりすましやID共有利用の課題があるが、多要素認証を備えたxIDログインの利用により、本人認証をより厳格に実施でき、生体認証を活用すればパスワードを忘れる心配もなくなる。

今後は本人の意思の下、貸出データを活用したサービスの拡張や自治体の区分を超えた広域での電子図書館導入など、物理の図書館では実現しない付加価値を両社の連携により実現していく。

また、同システムはデジタル田園都市国家構想交付金の対象事業として開発を進め、大規模な開発フェーズを終了したといい、各自治体に広く導入しやすいモデルを構築し提案していく予定だ。