将来宇宙輸送システムは8月21日、三井住友海上火災保険との間で包括連携協定書を締結し、宇宙輸送に関する事業開発と技術開発、ならびに保険活用の推進に向けて協力することを決定したと発表した。
将来宇宙輸送システムは、“毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも”をビジョンに掲げ、宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指しているスタートアップ企業。同社は完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)を用いた高頻度宇宙輸送を2040年代に行うことを最終目標としている。
一方の三井住友海上は、1975年に日本で初めて宇宙保険の引き受けを開始して以降、「月保険」の提供や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との宇宙旅行保険事業の共創活動など、宇宙保険に関する取り組みを積極的に行っている。
将来宇宙輸送システムは2040年代の最終目標達成に向け、今後5年程度で再使用型の小型宇宙輸送機を開発することを目指しているという。だがその実現のためには、開発の初期段階から、安全性や信頼性を確保した効率的な運用の仕組みについて検討を行う必要が生じる。
そこで両社は今回、再使用型宇宙輸送機について、事業と技術の両面におけるさまざまな事業リスクの評価とマネジメントに関して、共同して検討していくことで合意したとする。
なお、主な検討内容は以下の4点としている。
両社の主な検討内容
- 宇宙輸送事業に伴う各種リスクの評価とマネジメントに関すること
- 宇宙輸送機の開発と運用に伴う各種技術リスクの評価とマネジメントに関すること
- 宇宙輸送の事業と技術のリスクを移転する各種保険に関わること
- 宇宙輸送と当該領域の保険の社会実装に関わること