JetBrainsは現地時間8月2日、同社が提供するC++開発者向けのVisual Studio拡張機能「ReSharper C++」最新版「2023.2」のリリースを公式ブログで発表した。

「ReSharper C++」(公式Webサイト)

「ReSharper C++」(公式Webサイト)

「ReSharper C++」は、マイクロソフトのVisual StudioでC++開発を行うユーザー向けにオンザフライ分析、クイックフィックス、コード補完、リファクタリング、コード生成オプションなどの機能を提供する拡張機能。最新版「2023.2」では、AIアシスタントのβ版が導入された他、ソースコードから安全にシンボルを削除する「Safe Deleteリファクタリング」、新しい「C++23」をサポートするなどの機能強化、改善が図られている。

今回導入されたAIアシスタントのβ版は、プログラミングの質問に対する回答だけでなく、AIモデルがコードのバックにあるロジックを解説し、トラブルシューティング、リファクタリング、ドキュメント作成などの支援を行う。

  • AIアシスタント機能のβ版利用イメージ(同社資料より)

    AIアシスタント機能のβ版利用イメージ(同社資料より)

「Safe Deleteリファクタリング」は、ソースコードのクラス、関数、変数、列挙子、名前空間、コンセプトなどのシンボルを安全に削除できる機能を提供。削除前に使用法を検索し、ソースコードへの変更プレビュー機能により意図しない削除の防止にも対応、クラスや名前空間などの複雑なエンティティを削除する場合はその全メンバーの使用状況の再帰的チェックも行う。

  • 「Safe Deleteリファクタリング」(同社資料より)

    「Safe Deleteリファクタリング」(同社資料より)

仕様面では、最新の「C++23」をサポート。「if constevalステートメント」や「module」という名前のC++23標準ライブラリに対応する。「C++20」のサポートも行われ、新しい[[no_unique_address]]属性、UTF-8文字列リテラルを使用した「char」または配列の初期化への対応など機能強化、改善が行われている。それ以外にも「Unreal Engine」のパフォーマンス向上、コード分析機能の強化、コーディング支援、タイピング支援機能など複数の機能が改善されている。

「ReSharper C++ 2023.2」は、そのまま新バージョンに更新することで利用できる他、Webサイトでダウンロードして30日間の無料トライアルが利用できる。JetBrainsの「Toolbox App」からもダウンロードできる。