大日本印刷(以下、DNP)は7月31日、XR(Extended Reality:ARやVR技術の総称)のスタートアップであるハコスコが発行する株式の51%を取得してグループ会社としたことを明らかにした。
DNPはこれにより、同社グループが推進するXRコミュニケーション事業の強化をはじめ、ハコスコのアジャイルな事業開発力と、XRおよびブレインテック業界におけるブランドや共創ネットワークを活用して新規事業の創出を推進するとしている。
ハコスコはメタバース空間の構築や運用、基盤開発に加え、脳科学とテクノロジーを組み合わせたブレインテック事業を展開している。一方のDNPは2023年5月に発表した新中期経営計画において、注力事業領域の新規事業に「コンテンツ・XRコミュニケーション関連」を掲げており、積極的な投資を進めている。
DNPは2025年度に同事業の売上を2022年度比で2倍超の成長を目指すとしており、今回ハコスコをグループに加えることで、XRコミュニケーション事業の拡大を促進するとともにスマートコミュニケーション分野での新規事業創出を目指すようだ。
両社は今後について、ハコスコが提供する企業や自治体のメタバースを使った商取引空間の構築と運営が可能な「メタストア」を活用して、メタバースの構築運用支援サービスを強化するという。文化施設での作品展示や自治体の地域創生活動支援といった活動を支援するようだ。
さらに、ハコスコが持つ空間コンピューティング技術とDNPの強みを掛け合わせて、メタバースの3Dデータ構築やモデリング開発、決済および認証機能の強化など、技術開発力の掛け合わせによるシナジーの創出を促進してXRコミュニケーション事業をさらに推進していくとしている。
また、ハコスコが手掛けるBMI(Brain Machine Interface)や脳活動計測ソリューションの開発を通じて、新規事業領域の開拓にも着手する予定だ。