コンテックは7月25日、AI(人工知能)を使用した特許技術を搭載する調剤監査システムを新開発し、現行機「audit-BCR」の後継システムである「audit-i(オーディット・アイ)」として、2023年秋に出荷開始すると発表した。

  • audit-iの外観

新製品は、薬剤の種類・数量を同時に識別して薬の取り間違いなどの調剤現場で抱えるリスクを低減し、累計約2000件の採用実績があるというauditシリーズの最新モデル。従来モデルから質量1/2、高さ1/2の軽量コンパクト・サイズ(体積比60%減)を実現した。また同製品は、薬剤種類判別の機能にAIを応用した同社の特許技術を採用した。

通常、AIによる新たな薬剤の追加学習には12時間を超える時間が必要となり実用困難となるというが、特徴抽出処理を行う同社独自の技術により、薬剤判別の精度と処理速度を下げることなく再学習時間を3秒以下に短縮させることに成功した。

また、特定の撮影条件下でなくとも薬剤識別を可能とする技術や、クラウド上での薬剤マスタの生成など、AIをベースとする多数の特許技術を搭載したという。また、クラウド・サービスである「audit cloud」を利用することで、マスタ・データをオンラインで取得できるとのこと。

最新の薬剤データを監査に反映・利用可能となり、医薬品の包装デザイン変更などのマスタ反映や、旧機種では手間が掛かっていた導入時のマスタ登録の手間を緩和できるといい、複数店舗への導入時にも、マスタ・データの共有が可能。

同製品の特徴として同社は、AIと人の目によるダブル調剤監査、場所を選ばないコンパクト設計、監査記録の自動保存の3点を挙げる。

ダブル調剤監査に関しては、独自開発のAI技術を採用し、画像判定とバーコードによる薬剤の確認、重量計測による錠数確認を一括して行うという。スピーディかつ精確な監査が可能で一人薬剤師店薬局もダブル・チェックを実現するといい、ヒューマン・エラー防止などの役に立ち、薬剤師の精神的な負担軽減に役立つとしている。

本体サイズは高さ36cm・奥行き32cmで、設置場所に困らないという。基本的に本体のみで薬剤・数量の監査が可能であり、別途モニタなどの設置は必要ない。

監査記録については、監査作業を実施すると自動的に保存する。過去の調剤内容を画像で確認できるため、患者からの問い合わせにも安心して対応できる。同社は同製品について、「薬剤師の皆様の業務負担軽減に役立ちたい」「調剤過誤を無くしたい」「調剤監査精度を上げたい」といった思いを凝縮させたシステムだという。