Malwarebytesは7月4日(米国時間)、「Fake reviewers face big fines」において、米国において、ECサイトなどにおける偽の商品レビューに対して多額の罰金が科されることになると報じた。米国連邦取引委員会(FTC: Federal Trade Commission)から偽レビューの取り締まりを強化することを目的に、新たな規則案が発表されたという。

  • Fake reviewers face big fines

    Fake reviewers face big fines

オンライン上の偽の商品レビューが大きな問題となっている。なぜなら、偽のレビューによりWebサイトの人気ランキング上位に表示されるようになったり、時に消費者がだまされて低品質の商品を購入させられてしまったりすることがあるからだ。優れた本物のレビューがあったとしても、ユーザは最高の評価を追い求める傾向があるため、偽のオファーや取引に引き込まれてしまうことがあるという。

そこで、FTCはこれらのレビュー問題を解消することを目的とした新たな規定案を発表した。主な規則案は次のとおり。

  • 偽の消費者レビューや体験談の販売や入手 - 企業が実在しない人物や実際の経験のない人物による消費者レビューや体験談を作成・販売することが禁止される。そのようなレビューや体験談が捏造や虚偽であることを企業が知っていた場合、それらを入手したり広めたりすることも禁止される
  • レビューのハイジャック - 製品のレビューを異なる製品のものに見せかけたり、再利用したりすることが禁止される
  • 肯定的または否定的なレビューの購入 - 特定の感情を表現する消費者レビューを書くことを条件として、企業が報酬やインセンティブを提供することが禁止される
  • インサイダーレビューと消費者の声 - 企業の経営層や管理職は、自社の製品やサービスのレビューや体験談を、関係を明確に開示しないまま書くことが禁止される。さらに、彼らが会社の従業員やその親族に対してレビューの依頼を行うことも、彼らがその関係を知っていたかどうかに関係なく禁止される
  • 企業が管理するレビューWebサイト - 自社の製品やサービスを含む製品やサービスのカテゴリーに関して、独自の意見を主張するWebサイトの作成や管理を企業で行うことが禁止される
  • 違法なレビュー抑制 - 企業は消費者の否定的なレビューを防止または削除するため、不当な法的脅迫、他の脅迫、または虚偽の告発を行うことが禁止される。また否定的なレビューが抑制されている場合、Webイト上のレビューが全ての提出されたレビューであると虚偽に表示することを禁止する
  • 偽のソーシャルメディア指標の販売 - 企業は、偽のフォロワーやビューなど、ソーシャルメディアの影響力を示す虚偽の指標を販売することが禁止される。また、商業目的でその重要性を誇張するために指標を購入することも禁止される

新たな規則案が採用された場合、レビューの売買や操作に関与した組織は大きな損失を被る可能性がある。企業は消費者が偽のレビューを目にするたびに、1件につき「最高5万ドル」の罰金が科される可能性があるという。