エイトレッドは7月3日、中小企業の経理担当者を対象に実施した、電子帳簿保存法改正に向けた対応実態調査の結果を発表した。これによると、電帳法へ対応済みの中小企業は19.8%に留まっている。

同調査は同社が6月13日から14日にかけて、従業員100人未満の中小企業の経理担当者を対象として、IDEATECHが提供するリサーチPRである「リサピー」の企画によるインターネット調査により実施したものであり、有効回答者数は106人。

  • 調査結果の概要 出典: エイトレッド

勤務先で電子帳簿保存法に対応する仕組みを導入/検討しているか尋ねると、「導入済み」が19.8%、「導入していないが、検討している」が46.2%だった。

  • 電帳法対応の仕組みの導入/検討状況 出典: エイトレッド

導入済みという回答者に、それによって業務が効率化されたと感じているか聞いたところ、「あまりそう感じない」が42.9%、「全くそう感じない」が19.0%となった。

  • 電帳法対応の仕組みの導入で業務が効率化されたと感じているか 出典: エイトレッド

具体的に導入した仕組みでは、請求書管理システムが66.7%で最も多い。

  • 電帳法対応で導入した仕組み(複数回答) 出典: エイトレッド

導入した仕組みが電帳法の3つの保存区分のどれに対応しているかを尋ねると、「電子帳簿保存、スキャナ保存、電子取引/データ保存の3区分全てに対応」が47.6%、「電子取引/データ保存にのみ対応」が38.1%だった。

  • 導入した仕組みが電帳法のどの保存区分に対応しているか 出典: エイトレッド

仕組みの導入で生じた困りごとを聞いたところ、「業務の二度手間が増えた」が38.1%で最も多い。

  • 電帳法対応の仕組みの導入で生じた困りごと(複数回答) 出典: エイトレッド

電帳法対応の仕組みを導入していないが検討しているという回答者に、勤務先で電帳法対応を進めるにあたっての課題を質問したところ、「業務が忙しく、手が回っていない」(42.9%)、「電子帳簿保存法に対応したシステムの導入コストが高い」(34.7%)、「電子帳簿保存法に対応した最適なシステムがわからない/見つからない」(30.6%)が上位3位に並ぶ。

  • 電帳法対応での課題(複数回答) 出典: エイトレッド

電帳法対応の仕組みを導入しておらず、検討もしていないという回答者にその理由を聞くと、「電子での取引が無いから」が60.0%で最も多く、「対応しなくても良いと思っているから」が16.0%で続いた。

  • 電帳法対応の仕組みの導入を検討していない理由(複数回答) 出典: エイトレッド

調査結果を受けて同社は、対応に向けて検討を進めている企業にとっては、単に電子帳簿保存法に対応するだけでなく、現場に負担なく導入できるシステムか、業務の効率化につながるかといった視点も重要になると指摘すると共に、全社的な展開が可能であり、柔軟な連携機能で関連業務も一貫して効率化が可能なワークフロー・システムによって電子帳簿保存法への対応を実現できれば、生産性向上への大きな推進力となるのではないかと提言している。