日立製作所は6月28日、香港の現地法人を通じて、香港西九龍駅の複合施設向けに、高速エレベーター22台を始めとするエレベーター115台、エスカレーター41台、動く歩道4台の計160台と、エレベーターの効率的な配車を実現するという行先階予約システムおよび人流予測型エレベーター運行管理システム「FI-700」を一括受注したと発表した。香港における日立グループの昇降機の受注としては、過去最大とのこと。

  • 香港西九龍駅の複合施設の外観イメージ(右側手前)

同駅は、広州や深センなどの中国本土の各都市と香港を結ぶ広深港高速鉄道の発着駅として2018年に開業した。美術館、博物館、劇場などの芸術・文化施設が集まる再開発エリアである西九龍文化区に位置し、香港国際空港や、香港市街地へのアクセスにも優れる大規模開発地区だという。

今回昇降機を納入する施設は、同駅に直結する約24万平方メートルのオフィス、約5万5000平方メートルの商業施設、屋外施設などを持ち、2025年に竣工予定。

今回の受注は、香港のデベロッパーである新鴻基地産発展有限公司から、昇降機(エレベーター/エスカレーターなど)販売・サービス会社である日立電梯工程(香港)が受注したもの。製造は、中国における製造・販売・サービス会社である日立電梯(中国)が行い、2024年12月までに納入予定。

今回受注したエレベーターは、商業施設向けでは定格速度60~120m/分、積載重量800~2,500kgが36台、オフィス向けでは同120~300m/分・同1350~2000kgが79台。エスカレーターは商業施設向けに、定格速度30m/分、階高2100~1万3450mmで41台。動く歩道は同じく商業施設向けに、定格速度30m/分が4台。