データ分析プラットフォームのDatabricksはAIスタートアップのMosaicMLを買収する模様だ。買収金額は13億ドルにのぼり、自社で生成AIツールを構築するというニーズを受けてのものだという。

MosaicMLは、企業が自社データよりLLM(大規模言語モデル)など、生成AIモデルのトレーニングと実装を行う技術を提供するベンチャー企業。容易さを特徴とすることから、「Generative AI for All」としている。これまでの資金調達額は累計6400万ドルに及ぶとみられている。

Wall Street Journalによると、米Databricks Co-founder and CEO(共同創業者兼最高執行責任者)のAli Ghodsi(アリ・ゴディシ)氏は「ゼロからモデルを構築するのであれば、どのようなデータをフィードしているのかがわかる」とコメントしているとのことだ。

買収によってDatabricksのAI対応データ管理技術とMosaicMLの言語モデル・プラットフォームが組み合わされ、企業が独自のデータを使って低コストの言語モデルを構築できるようになるという。

リソースのリニアなスケーリングと組み合わせることで、数十億パラメータのモデルを数日ではなく数時間でトレーニングすることができ、LLMのトレーニングや使用にかかるコストは数百万ドルではなく、数千ドルに低減できるとしている。

現在、大半の企業はオンラインでアクセス可能な公開データの山から学習させたサードパーティの言語モデルに依存している。

買収は7月31日に終了するDatabricksの会計年第2四半期中に完了を見込む。その後、MosaicMLはDatabricks内の独立した事業として継続するという。なお現在、同社は米サンフランシスコで年次イベント「Data and AI Summit 2023」を開催している。