キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は6月6日、同社の映像技術とAIを活用した「映像DXシリーズ」に製造業における工場向け労災防止ソリューション、オフィスビル向けスマートビルディングソリューションを追加し、同月中旬から提供を開始すると発表した。

  • 映像DXシリーズの新サービス

    映像DXシリーズの新サービス

同社は、カメラ事業で培った光学技術とAIを組み合わせ現場の課題を解決する映像DXシリーズを展開しており、労災防止ソリューション、スマートビルディングソリューションを拡充。

これにより、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支援するとともに、ネットワークカメラなどのデバイス群とAIを活用したサービスの提供に加え、運用支援までをパッケージ化して提供。

労災防止ソリューションは侵入検知サービスと危険行動検知サービス、スマートビルディングソリューションは入退顔認証サービスをそれぞれ提供する。

侵入検知サービスは、カメラ単独で設備を常時監視するだけでなく、アクシス製のネットワークカメラをAIカメラ化する独自技術で映像を活用することで、人のみを検知可能にする。

また、人以外にも反応して誤検知となる従来の検知センサの課題を解決するほか、生産現場に設置されている表示灯やPLC(Programmable Logic Controller)と連携。製造装置を制御することで、巻き込まれ事故などによる労災を防止し、従業員の安全支援すると同時に、事故発生による作業中断や遅延による関連コスト発生の抑止を図る。

危険行動検知サービスは、同社と資本業務提携を行っているアジラの行動認識AIを活用した姿勢推定技術により、転倒や異常行動のカメラ映像をAIが自律学習し、危険行動の検知を支援。多数のカメラ映像から事故を瞬時に察知することや見逃しを防止することが難しいという課題を解決するという。

一方、入退顔認証サービスは、デジタルカメラやネットワークカメラの映像解析技術と、AIを活用したキヤノン独自の顔認証技術により、高速かつ高精度な入退管理を実現。顔認証を活用することで、ICカードの入退管理だけでは防ぎきれないなりすましを防止し、機密性の高いエリアへの不正侵入を抑止する。

さらに、荷物を持っていても手ぶらで利便性の高いハンズフリーでの入退室を実現することに加え、非接触の認証方式であることから、食品製造現場やクリーンルームへの異物混入を防止します。

最小構成価格は、侵入検知サービスが初期費用20万円~、月額費用2万円~、危険行動検知サービスが初期費用300万円~、月額費用30万円~、入退顔認証サービスが初期費用350万円~、保守費用50万円~。同社では3つのサービスで2025年までに500件の販売を計画している。

今後も対象分野とサービスを拡充し、業務プロセス変革を支援するとともに、安心・安全な社会の実現を目指す考えだ。