富士通は5月26日、ビジネスと社会の未来ビジョンを提言する「Fujitsu Technology and Service Vision 2023」を策定し発行した。同社が2022年度に示したデジタルイノベーションによるSX(サステナビリティトランスフォーメーション)の実現に向けて、企業が取り組むべき具体的なアクションを示している。
気候変動や地政学的な危機、金融市場の混乱といった課題がビジネスや生活に大きな影響を与えている中、今回の提言にはサステナビリティとビジネスを一体化させる取り組みや、テクノロジーの進化がビジネスと社会に与えるインパクト、企業が持続可能な未来に向かって取るべきアクションを盛り込んだ。
同社は提言の中で、サステナビリティ=ビジネスモデルによる価値創造のサイクルを示している。さまざまな外部環境が経営に影響を与える中で、サステナビリティに関わる課題をビジネス機会と捉え、環境や社会に価値をもたらす事業への変革を経営の重要課題と捉える企業もある。
しかし、サステナビリティの戦略を実践し成果を創出するリーダー企業は、すでに先行しているDX(デジタルトランスフォーメーション)と比較して、環境や社会に価値を生み出すための変革であるSXはこれから本格化する段階にあるとして、、サステナビリティをビジネスと一体化する取り組みを進めているという。
具体的には、環境や社会価値を創出する取り組みが人々の共感を生み、売上や収益性の向上などの財務価値を創出するサイクルを構築しているとのことだ。
また、同社は提言の中で、テクノロジービジョンについても述べている。デジタルイノベーションは企業がSXを実現する上で重要な役割を果たすが、デジタル化を伴うSXにおいては、サステナビリティリーダー企業の約8割が、自動化、エクスペリエンス、イノベーション、レジリエンス、トラストの5つの領域が非常に重要だと位置づけている。
そこで同社は、5つの重点技術領域(AI、ネットワーク、コンピューティング、コンバージングテクノロジー、データ&セキュリティ)の研究開発にリソースを集中し、各領域におけるテクノロジー・イノベーションを実現するとしている。
同社は、企業のSXのパートナーとして、サステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」を中心に、環境問題の解決や人々のウェルビーイングの向上、持続可能な経済成長の実現に向けたビジネスの変革に顧客と共に取り組む方針だ。