博報堂の専門組織・博報堂行動デザイン研究所とHAKUHODO-XRは5月26日、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)の未来社会共創イノベーション研究室と、メタバース空間における行動変容を研究し持続可能な未来社会のデザインを推進する共同プロジェクト「メタバース未来社会デザインプロジェクト」を立ち上げたことを発表した。

3者は、それぞれの知見を活かすかたちで、現実世界とメタバース空間における生活者の意識・行動の差の把握など、メタバース空間利活用の現状と課題、さらには社会生活における潜在的な可能性を明らかにしながら、学際的かつ実践的な研究を行い、研究を生かしたソリューションの開発も推進していきたい考え。

同プロジェクトでは、メタバースの本来の目的は、仮想空間の利活用のみならず、リアルな社会を良くするためのものであるはずとの想いを共通に、「メタバース空間で創作されるべき未来シナリオはどうあるべきか」「メタバース空間での自立した価値はどうあるべきか」などのテーマについて、行動デザイン研究所の持つ生活者の「欲求」に関する知見、HAKUHODO-XRの持つXR領域のクリエイティブやソリューション開発の知見と、慶應義塾大学未来社会共創イノベーション研究室の持つ学術的知見を融合させ、調査・議論を進める方針。

具体的にはメタバース空間において生活者が何を求めて行動しているのか把握すべく定量的な調査を実施するほか、アーリーアダプターを有する慶應義塾大学未来社会共創イノベーション研究室メンバーと共に、定性的な調査にも着手している。

さらには一般企業も参画し、将来的に地域社会をはじめとした現実空間の活性化にもつながるようなメタバース空間の実現に向けて活動を進めていく予定となっている。

博報堂は今後も、テクノロジーの利活用についての価値検証や実装を重ね、生活者の次世代体験創出に向けた研究を進めていく構え。