電通は5月17日、ChatGPTを使用した「キャラクターとの自動対話サービス」のプロトタイプを開発したと発表した。併せて、「いらすとや」のキャラクタに新サービスを適用し、多様な人が使いやすく、安心しながら信頼して使用できるAI(人工知能)チャット・サービスの実現に向けたプロトタイプの実証実験を開始した。
ChatGPTなどの生成系AIの登場により、人間のように自然な会話ができるAIチャット・サービスが、今後多様な産業に浸透していくと同社は予想する。また自動対話型のサービスは、多くの人が使用できるユニバーサルなサービスとなり得るため、手動でのテキスト入力に慣れていないシニアや、障がいのある人への普及にも期待が高まっているという。
さらにEC(電子商取引)や店頭、コールセンターでの利用により、事務作業の効率化なども可能になるとしている。
同社は、人気キャラクタや企業の有名キャラクタ、IP(知的財産)、ご当地キャラクタなどの権利を持つ多様な企業・団体と連携し、キャラクタをインターフェイスに加えることで、誰でも親しみやすく、好奇心を刺激するAIチャット・サービスの提供を目指し、同サービスを開発したという。
同社が「キャラクターCXソリューション」や「Chara Talker」で培ってきた、キャラクタとテクノロジー、およびデジタル・メディアを使用した効果的な表現・演出ノウハウや制作・技術知見を生かし、最適な顧客体験を設計していくとのこと。
なお、今回のプロトタイプでは、OpenAIのGPT-4を使用した。
今回は、多種多様なフリー素材を提供しているいらすとやと提携し、キャラクタ使用の許諾を得て開発したプロトタイプにおいて、キャラクタを3Dモデル化し、話し方や動きの特徴を設計・インプットしたという。
また、プロトタイプの実証実験を通して、AIチャット・サービスにおいて重要という、責任あるAIを目指した取り組み(ガイドライン策定など)を強化していくとしている。
今後は、世界的知名度のあるキャラクタIPを数多く持つ日本の環境を生かし、同サービスのグローバル展開も目指していくとのことだ。