SAP SEは5月16日(ドイツ時間)、マイクロソフトとの長年のパートナーシップの次のステップとして、エンタープライズ対応の最新のジェネレーティブAI生成AI)のイノベーションを用いて、顧客のビジネス課題の解決を支援すると発表した。

両社は、SAP SuccessFactorsとMicrosoft 365 CopilotおよびCopilot in Viva Learning、さらに自然言語を分析・生成する言語モデルにアクセスするためのMicrosoftのAzure OpenAI Serviceを統合する。これにより、組織が人材を惹きつけ、維持し、スキルアップする方法を改善するために設計された新しいエクスペリエンスが実現するという。

今回の協業とSAPによるAzure OpenAI Service APIの利用を通じて、SAPとマイクロソフトは、採用管理や学習管理、社員教育のプロセスを効率化する新しい体験に共同で取り組む。

採用管理について、SAPはAzure OpenAI Service APIとSAP SuccessFactorsソリューションのデータを活用し、高度にターゲット化された職務経歴書を作成する。SAP SuccessFactors RecruitingとMicrosoft 365の統合により、人事部および事業部門のリーダーはMicrosoft WordのCopilotを使用して、偏りを検出するためのコンテンツやチェックを追加して、職務記述書を微調整できるようになる。その後、最終的な職務経歴書はSAP SuccessFactorsで公開され、ワークフローが完結する。

また、SAPはAzure OpenAI Service APIを活用し、候補者の履歴書、職務内容、類似職種に基づいた質問候補をMicrosoft Teams内で面接官に提供する予定となっている。

学習管理については、SAP SuccessFactorsとMicrosoft Viva Learningの統合により、従業員はViva LearningのCopilotを使って自然言語クエリを行い、キャリアと開発目標に沿ったSAP SuccessFactorsのデータと学習コースに基づいて、パーソナライズした学習推奨事項を作成可能になるという。

学習が完了すると、SAP SuccessFactorsのポートフォリオが自動的に更新され、企業は組織内のスキル状況について最新のビューを得ることができる。この機能強化は、現在利用可能なコンテンツ、割り当て、権限、SSO同期、および今年後半に顧客に提供される自動管理設定エクスペリエンスとの強固な統合を基盤としたものとのことだ。