JR東日本の子会社でベンチャーへの出資や協業を推進しているJR東日本スタートアップは5月10日、点群データの自動モデリング技術を有するDataLabsと、鉄道現場の生産性向上に向けた資本業務提携に合意したことを明らかにした。

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    資本業務提携を開始する

Datalabsは、「3次元データで建設業を変革する」をミッションに掲げ三次元データを用いたクラウド型システムの開発および提供を行っている。公共工事で適用可能な配筋検査自動化ツール「Modely」や、クラウド型三次元データ可視化・共有システム「LinkedViewer」を販売している。

JR東日本グループでは、グループ経営ビジョン「変革 2027」において、JRE-BIM(JR東日本におけるBIM / CIMの取組みの総称)やICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の導入による鉄道現場の生産性向上を目指す。

鉄道などの建設現場では、施工監理業務として受注者の施行会社やJR社員が現地に設置された鉄筋と図面を照合する「配筋検査」を行っている。構造物によっては多数の鉄筋を検査する必要があるため業務の効率化が求められるが、ミリ単位での精度が求められる鉄筋配置を現地に行かずに正確に把握する技術の開発が課題となっていた。

そうした中、2022年度のJR東日本スタートアッププログラムを通して、DataLabsが持つ点群データから正確にBIM/CIMモデルを自動作成する技術によって、課題解決の可能性が出てきたのだという。両社は今回の資本業務提携によって、配筋検査の効率化を継続して目指すだけでなく、鉄筋以外の構造物の自動モデリング技術活用によるJRE-BIMのさらなる推進や鉄道業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献するとしている。