日本電信電話(NTT)、NTTドコモ、NTTデータ、阪神高速道路の4社は4月21日、NTTグループと阪神高速の両者が持つアセットの融合によるデジタル技術を活用した新たな交通マネジメントの実装に向けた検討を、2023年4月から共同で実施すると発表した。

  • 共同検討の取り組み内容

今回発表した共同検討は、大規模工事・大規模イベントによる交通渋滞や日常的な交通混雑の緩和に必要な、技術要素、運用手法、情報を整理・検討し、その有効性の検証を通じて都市の道路交通の整流化に貢献する、デジタル技術を活用した新たな交通マネジメントの実現を目指すものといい、2025年の大阪・関西万博などでも試行を検討していく。

個々人の多様な移動ニーズと都市の道路交通の整流化の両立を重視しているといい、人と交通のデジタル・ツインの実装による都市の道路交通の整流化および、多様な移動ニーズに対応した移動支援サービスの提供を通じた新たな交通マネジメントの実装により、その実現を目指す。

都市の道路交通の整流化については、現実世界(リアル)で観測される情報や大規模会員基盤の情報を基に、実際の交通状態をデジタル・ツイン・コンピューティング(DTC)を使用してバーチャル世界に再現し、将来の交通状態を予測する。

バーチャル世界での多様なシミュレーションを通じて、都市高速道路を中心とした都市の道路交通の整流化に適した施策を導出する。

移動支援サービスの提供に関しては、大規模会員基盤などを利用し、多くの個々人のTPO(予定、現在地、移動目的)を統計的に把握して、個々の特性に合った移動支援を、都市の交通状態の予測に応じて行うとのこと。

共同検討において阪神高速は、交通工学に関する知見、交通シミュレーションなどの交通のモデル化および、阪神都市圏の大動脈である阪神高速道路の道路管理・渋滞対策などの交通マネジメントの実績・ノウハウを活用した交通マネジメントの検討を担うと共に、デジタル技術を用いた交通マネジメントの社会実装を担当する。

NTTは、交通マネジメントをデジタル技術を用いて実現するための検討、同社のIOWN構想 における4Dデジタル基盤(緯度・経度・高度・時刻)技術などのデジタル技術の適用、交通流再現や交通予測などの交通整流化に資する新規技術の開発を担う。

ドコモは、デジタル技術を使用した新たな交通マネジメントの実現に有用というドコモアセットの適用を担当する。

NTTデータは、システム開発実績による交通マネジメント・システムの実装、DTCを使用した現実世界のバーチャル世界での再現およびシミュレーションを担う。

今回の共同研究は阪神都市圏を実証フィールとして想定しており、NTT西日本も連携する。同社は阪神高速などとの連携を通じた阪神都市圏での新たな交通マネジメントの社会実装を担当する。