エア・ウォーターは、4月13日に駐車場併用タイプの垂直ソーラー発電システム「VERPA(ヴァルパ)」を、独Luxor Solarの日本法人であるルクサーソーラーと共同で開発したことを発表した。
再生可能エネルギーの大規模導入が進む日本では、太陽光発電所の新たな導入適地が乏しくなっている現実がある。その一方で、脱炭素社会の実現への機運の高まりや電気料金の高騰によって、ソーラー発電システム導入へのニーズは増している実態もあり、他の用途と土地を併用でき、雪や雹などに強く、景観や農地を毀損させない環境調和型の新しいソーラー発電システムが求められていた。
その中でエア・ウォーターは、欧州で普及を始めた垂直ソーラー発電システムを日本市場のニーズに適用させることを目指し、両面受光型太陽光発電モジュールメーカーのルクサーソーラーと共同でVERPAを開発。豪雪地帯や、すでに駐車場など他用途で使用している土地へのソーラー発電システム導入を可能とし、傾斜地に設置した場合でも農地や牧草地との併用により、土壌劣化や景観悪化の防止を実現した。
同社はVERPAの具体的な特徴として、駐車場の収容能力を減らすことなく利用者の安全にも配慮しながら設置できる点を挙げる。加えて、建築物ではなく工作物の位置付けとなるため、市街化調整区域にも設置が可能だとしている。
また、垂直型であるため雪が積もらず、黄砂・落葉・落石などにも強さを発揮するとのことで、台風や暴風雪などにも耐えるように強度設計が行われているとする。
エア・ウォーターによると、垂直型のため両面発電が可能で、日出と日没の2回のピークが現れる仕組みとなっているため、平置き型・傾斜型と比べても年間発電量に大差はなく、地面からの反射光によっては垂直型の方が優れた結果を示すこともあるという。さらに、カーポート型と比べて設置費や維持費が安価であり、受光面が目視できることで清掃作業やメンテナンスが容易であるとも説明している。
なお、初期の導入場所としては、ショッピングセンターや大型公園の駐車場、サービスエリア・パーキングエリア、道の駅をはじめ、牧草地や農道、歩道などを想定しているとのこと。今後は、バイオガスの高度利用技術、木質バイオマス資源の総合的なエネルギー利用技術、各種排ガスのCO2回収技術などを通じて、脱炭素社会の実現と地域経済活性化への貢献を目指していくとしている。