NTT東日本グループと睡眠課題解決をめざす共創コミュニティ「ZAKONE」による宿泊型睡眠ライブイベント“寝落ちするための演奏会”「ZZZN(ズズズン) - LISTEN AND SLEEP -」が3月18日、神奈川県箱根の老舗旅館「吉池旅館」にて開催された。
“寝落ちするための演奏会”という、ちょっと不思議なライブイベントは、《sasayaki lullaby》という、2022年の「世界睡眠デー」にソニー・ミュージックジャパンインターナショナルからローンチされた、大ヒット洋楽曲をささやき声でリアレンジカバーした“おやすみ前専用の入眠プレイリスト”を生で演奏し、それを聴きながら睡眠するという、音楽の魅力に加え、“睡眠”にもフィーチャーしている。
イベントでは、14時のチェックイン後、15時より「DAY LIVE」を実施。その後、食事や温泉を楽しみながら、ゆったりと過ごし、22時からの「NIGHT LIVE」に備える。イベント当日はあいにくの雨模様で、本来であれば、吉池旅館の中庭にて生演奏が行われる予定となっていたが、残念ながら今回は昼夜ともに大広間でのライブとなった。
今回のライブには、アーティストとして、PES & SONPUB、Sincere、Seihoが参加。「DAY LIVE」自体は、睡眠を目的としたものではなく、座るもよし、寝転がるもよしと、思い思いの姿勢で、気軽に音楽を楽しむ趣向となっていたが、暗い部屋の中で心地よく響く音楽、そして歌によって、絶好のお昼寝タイムとなった。
「ZZZN - LISTEN AND SLEEP -」は、ただライブを聴いて寝るだけではない。睡眠のリズムやいびきの解析、寝姿勢など睡眠状態を計測するためのデバイス「ブレインスリープコイン」の計測アルゴリズムを利用した、赤色灯を点灯・消灯させる演出が大きなポイントとなっている。
ライブ前の準備は「ブレインスリープコイン」を浴衣の帯につけるだけ。あとはBluetooth接続によりアプリが睡眠状態をトラッキングし、そのデータをもとに赤色灯の光がゆらぎ、寝落ちとともに消灯するという仕組みとなっている。
この赤色灯は、各部屋だけでなく、中庭や大広間のライブ会場にも設置されており、互いを連動させることで、中庭やライブ会場でも、参加者の睡眠状態による演出を楽しむことができる。
「NIGHT LIVE」の時間はおよそ2時間。ライブが終わる頃には中庭の赤色灯もかなりの数が消灯している
赤色灯の演出は、参加者が寝ることによって成立するため、参加者自身はその演出が楽しめないという残念に感じるかもしれない。しかし、イベント後に動画の公開なども予定されており、あらためて赤色灯の演出を楽しむことができるとのこと。
ただ、寝落ちするためだけに生演奏ライブが楽しめるという何とも贅沢な「ZZZN - LISTEN AND SLEEP -」。心地よい音楽を聴きながら、上質の睡眠を楽しめるイベントとして、今後の展開にも注目しておきたい。