米国セールスフォースは3月9日、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)のための生成AI技術「Einstein GPT」 を発表した。
Einstein GPTは、SalesforceのAIモデルに複数パートナーの生成AI技術を組み合わせ、Salesforce Data Cloudからのリアルタイムデータとともに企業のすべての顧客データを取り込み、ハーモナイズして一元化する技術。
これにより顧客は、自社データをすぐに使えるOpenAIのAIモデルに結びつけるか、独自の外部モデルを選択し、自然言語プロンプトを直接Salesforce CRM内で使用することで、顧客情報と要件にリアルタイムで適応し続けるコンテンツを生成できるようになる。
例えば、営業担当者は、顧客にあわせてパーソナライズしたEメールを作成し、カスタマーサービス担当者は顧客の質問への具体的な回答をより迅速に作成することができるようになるほか、マーケティング担当者は、ターゲットを絞ったコンテンツを作成したり開発者向けにコードを自動生成したりすることが可能となる。
今回発表したサービスは以下のとおり。
- Einstein GPT for Sales:Eメール作成、会議スケジュール設定、営業タスクを自動生成。
- Einstein GPT for Service: 過去の対応履歴からナレッジ記事を生成。
- Einstein GPT for Marketing:パーソナライズされたコンテンツを動的に生成。
- Einstein GPT for Salesforce’s Slack apps:AIを活用した顧客インサイトをSlackで提供。
- Einstein GPT for Developers:AIチャットを通じてApexなどのプログラミング言語のコード生成や質問を行い開発者の生産性を向上。
Salesforceの会長兼CEOであるマーク・ベニオフ氏は、次のように述べている。
「世界は、リアルタイム技術と生成AIの台頭により、最も深遠な技術の転換期を体験しつつあります。すべての企業がよりインテリジェントで自動化され、パーソナライズされた方法で顧客とつながることに注力している今だからこそ、この転換期は極めて重要な瞬間です。Einstein GPTは、当社のData Cloudと組み合わせ、Tableau、MuleSoft、Slackと同様に当社のすべてのクラウドに統合されており、あらゆるお客様にAIの未来への扉を開く一つの方法を提供します。さらに、Einstein GPTは提供時点でOpenAIとも統合されます」
さらに、SalesforceとOpenAIは、OpenAIの高度なAI技術を統合することで、会話の瞬時要約、調査ツール、文章作成支援を提供する「ChatGPT app for Slack」もあわせて発表している。