Sansanは3月9日、2023年4月に開校する予定の「神山まるごと高等専門学校」の学費無償化に向けた奨学金基金の組成が完了したことを発表した。4月に入学する学生たちは学費が実質無償になる。1学年44名の学生に対して、奨学金基金に拠出および寄付を行う、11社の民間企業(スカラーシップパートナー)が決定した。また、今回の奨学金基金により2期生以降も無償の学校が実現する見込みだという。

  • 神山まるごと高専、学費の無償化に成功

    神山まるごと高専、学費の無償化に成功

同校は、テクノロジー、デザイン、起業家精神を中心とした学習を通して、社会を切り拓く「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指している。同校では経済状況に限らず目指せる学校を目指しており、奨学金基金と長期的な寄付によって学費の無償化を実現する奨学金基金の実現に向けて、奨学金基金に寄付や拠出を行う「スカラーシップパートナー」の募集を、2022年1月に開始している。

今回の奨学金基金は、1社10億円の拠出を非営利徹底型法人である「神山まるごと奨学金基金」へ実行するか、もしくは、学校法人神山学園へ寄付することで完成したとしている。 拠出の場合は、参画企業から10億円を拠出してもらい、投資会社に集まった資金の運用を委託。運用によって上がった運用益を、そのまま神山学園に寄付する。神山学園は、その資金を学生に奨学金として給付する仕組みだ。

  • 拠出の場合の流れ

    拠出の場合の流れ

民間企業からの寄付でパートナーに参画する場合は、その資金をそのまま学生に奨学金として給付する。

  • 寄付の場合の流れ

    寄付の場合の流れ

参画企業は、伊藤忠テクノソリューションズ、Sansan、セコム、セプテーニ・ホールディングス、ソニーグループ、ソフトバンク、デロイト トーマツ コンサルティング、富士通、MIXI、リコー、ロート製薬の11社。

デロイト トーマツ コンサルティングのみ5億円の寄付で、その他の企業は1社10億円を拠出し、合計105億円の奨学金基金が集まったとのこと。なお、寮費については世帯の年収に応じた奨学金を別途提供する予定。

また、開校後は、各学年4名ずつ、各企業の名前を冠した奨学生が生まれる。44名の学生を11社で対応するかたちだ。例えば、Sansanの奨学生は、「Sansan奨学生」のように名称付けられ、各企業の奨学生はその企業たちと5年間を通じた研究活動を行い、学びを共に深めていくカリキュラムとなっているとのことだ。