サイバーセキュリティにおけるAI(Artificial Intelligence:人工知能 )技術の活用は急速に進んでおり、脅威の検知、インシデント対応、不正行為の検知、脆弱性管理など、さまざまな事象に大きな影響を及ぼしている。サイバー犯罪の検知と防止に人工知能を使用することで年間110億ドルのコスト削減につながるとされ、有効に活用することで、効率的かつ効果的にビジネスに成功できるといわれている。

The Hacker Newsは2月24日(米国時間)、「How to Use AI in Cybersecurity and Avoid Being Trapped」において、サイバーセキュリティにおけるAIの活用方法と罠に陥らないためのヒントを紹介した。AIは多くの場面でビジネスを助けることができると説明している。

  • How to Use AI in Cybersecurity and Avoid Being Trapped

    How to Use AI in Cybersecurity and Avoid Being Trapped

AIを活用することで、大量のデータを人間よりも圧倒的に速く分析し、高い精度で異常を特定することができる。また、過去のセキュリティインシデントから学習し、新たな脅威が発生した場合に迅速に適応することが可能とされている。脅威の監視やインシデント対応など、サイバーセキュリティに関連する反復的で時間のかかる作業の多くを自動化できるといったメリットもある。

しかしながら、ビジネスにAIを導入することは複雑で困難なプロセスとされ、AIをセキュリティ戦略に効果的に組み込むために回避すべき潜在的な落とし穴が数多く存在するという。そこで、罠にはまらずにAIを安全に導入するためのヒントとして、以下が紹介されている。

  • 明確なゴールと目的を定義する - 導入する前に取り組みに集中できるよう、目標と目的を決めておく。また、AIソリューションがビジネスニーズに合致しているかを確認する
  • AIの限界を理解しておく - AIにはまだ偏りや誤検出などのリスクがあるため、万能ではないことを認識しておく
  • トレーニングや教育に投資 - 人工知能との連携方法とその出力結果の解釈を理解する熟練した人材を育てる
  • AIソリューションのテストと検証 - 正式に運用する前に制御された環境で徹底的にテストと検証を行い、問題や弱点を特定して意図したとおりに機能していることを確認する

AIはまだまだ発展途中の技術であり、あくまでツールの一つにすぎない。サイバー犯罪に悪用されるのではなく、企業や組織が積極的に有効活用していくことが重要とされている。