Canonicalは2月14日(英国時間)、「Real-time Ubuntu is now generally available」において、リアルタイムUbuntu 22.04 LTSの一般提供の開始をアナウンスした。リアルタイムUbuntuは、組み込み機器をはじめとする応答性能が重視される分野に向けた低遅延のLinux OS。産業機械や電気通信機器、自動車、航空機などといったミッションクリティカルなワークロードが求められる分野での利用が想定されている。
リアルタイムUbuntu 22.04 LTSでは、Linuxカーネル5.15をベースにPREEMPT_RTパッチセットを適用したリアルタイムカーネルが使用されている。PREEMPT_RTは、カーネルのレイテンシを短縮し、指定時間でのタスク実行を保証できるようにするパッチセットで、x86_64およびAArch64アーキテクチャ向けにそれぞれ提供されている。
Canonicalでは、リアルタイムUbuntu 22.04 LTSを利用するための2つの導入オプションを提供する。1つは、Ubuntu Proのサブスクリプションに加入してリアルタイムカーネルを搭載したUbuntu Server 22.04 LTSを利用する方法。Ubuntu Proは、Ubuntuに対して10年間のセキュリティメンテナンスの提供を保証するCanonicalが提供しているサービスである。有償サブスクリプションサービスだが、個人であれば5台まで無料で利用することできる。
もう1つのオプションは、リアルタイムカーネルを搭載したUbuntu Core 22を使用する方法。Ubuntu Core は、エッジデバイス向けに最適化されたUbuntuである。組込み機器でリアルタイムUbuntuを使う場合はこちらのオプションの利用が想定される。リアルアイムカーネルを搭載したUbuntu Core 22を使用したい場合はCanonicalに問い合わせるよう呼びかけている。