ワークスモバイルジャパンは2月9日、年次ビジネスカンファレンス「LINE WORKS DAY 23」を開催した。3年ぶりのリアル開催となる同カンファレンスでは、「つながる はじまる あなたの『いい仕事』」をテーマに掲げ、業務のデジタル化を進めるコツや成果を上げる組織の在り方、リーダー論など、有識者によるさまざまなセッションが繰り広げられた。その中から本稿ではTEAM NACSリーダーの森崎博之氏が登壇し、「TEAM NACS流リーダーの『いい仕事』」と題して語ったセッションを取り上げる。なお、司会進行はフリーアナウンサーの進藤晶子氏が務めた。
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TEAM NACSリーダーの森崎博之氏
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歳月を経て、変化したメンバーとの付き合い方
一昨年結成25周年を迎えたTEAM NACSは北海学園大学演劇研究会の先輩後輩であった森崎博之氏、安田顕氏、戸次重幸氏、大泉洋氏、音尾琢真氏で結成された演劇ユニットだ。これまでを振り返ると「あっと言う間でもあり、もう27年でもある」と言う森崎氏。今でも5人が集まると、ふとした時に部室でバカな話をしていた当時の雰囲気に戻るという。
27年続いている理由を尋ねられた森崎氏は年月を重ねる間にメンバー自身や関係性にさまざまな変化があったことを踏まえ、「それぞれのステージに添った付き合い方があった」と語る。結成直後はリーダーとして旗振り役、牽引役をしていた時期もあったが、今は俯瞰で見ている付き合い方になったそうだ。
「リーダーは愛称だ」と言う森崎氏は、「リーダーが4番でピッチャーである必要はない」と野球に例え、自身のリーダー論を明かす。TEAM NACSの場合、多才で個性的なメンバーが揃い、それぞれに持ち場があることを分かっているので、「リーダーだからといって他のメンバーを引っ張る必要もないし、リーダーであっても『すごくない』状態でも良いと考えている」(森崎氏)と話す。
リーダーという肩書に縛られた時期も
だがそんな森崎氏も、リーダーであることに悩んだ時期があった。2007年頃、森崎氏も含め、メンバーが東京へ進出し、ドラマなどに出演する機会が増えた。その際森崎氏は「リーダーなのに皆より芝居ができない、引っ張っていけていない自分に少し劣等感があった」と言う。曰く、「リーダーという肩書に縛られていた」そうだ。
ちょうどその頃、森崎氏は北海道で農業をテーマにした番組に起用される。東京での仕事よりも、北海道の地に足を着けた仕事の方が自分には向いていると感じた森崎氏は、全員が同じ方向に向かって進むよりも、1人が違う方向に進むことで、「5人でつくる五角形がより大きくなるのではないか、皆の方向性が大きい方向に広がるのではないかと気が付いた」のだという。
チームを一番愛する人こそ、リーダーである
では今、森崎氏が考えるリーダーとはどんな人物なのだろうか。森崎氏は「自分がTEAM NACSを一番愛する存在である」ことがリーダーたるゆえんだと語る。
「もしも他のメンバーが私よりもTEAM NACSを愛していれば、その人がリーダーで構いません。企業の社長も、その会社を一番愛している人であるべきなのです」(森崎氏)
また、TEAM NACSにおいて森崎氏が考える最も大切で、最も困難なことは「続けること」だ。メンバー最年少の音尾氏が80歳を迎える2056年で解散すると「勝手に思っている」と言う森崎氏。
「どんな手を使っても、2056年まで続けるという目標に対する思いが、私をリーダーにしてくれています。このゴールさえあれば、もう劣等感もないし、リーダーとして存在し続けられるのです」(森崎氏)
最後に来場者へのメッセージを求められた森崎氏は、次のように語り、セッションを締めくくった。
「皆それぞれが自分の人生のリーダーだと思います。自分を愛していないと、自分のリーダーを務めることも大変です。私の場合は、愛情を込めて個人、チームに向き合ったことで、(リーダーという責務に対し)楽になれました。この経験を皆さんの何かの参考にしていただければうれしいです」(森崎氏)
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