NECは1月30日、2022年度第3四半期(10~12月)の決算説明会をオンラインで開催した。第1~第3四半期累計(4~12月、9カ月)の売上収益は2兆2693億円(前年度比8.2%増)、調整後営業利益は834億円(同比75億円増)の増収増益となった。

なお、第3四半期単体での業績は、売上収益が8139億円の増収(同比14.1%増)、調整後営業利益が522億円の増益(同比184億円増)だった。

  • 2022年度第3四半期(10~12月)の業績サマリー

    2022年度第3四半期(10~12月)の業績サマリー

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ネットワークサービスは費用増で減益、第4四半期の売上拡大で挽回図る

第1~第3四半期累計の調整後営業利益の増減要因としては、為替変動や前年度比での部材不足によるマイナス影響の縮小などマクロ環境要因で145億円のプラス、「ネットワークサービス」セグメントでの減益の影響を受けてオペレーションは246億円のマイナスとなった。一方、特許などの知的財産から得られる収益が145億円が計上された。

  • 2022年度第3四半期の調整後営業利益の増減要因(前年度比)

    2022年度第3四半期の調整後営業利益の増減要因(前年度比)

ネットワークサービスセグメントの売上収益は、グローバル5Gの海外売上が拡大したことに加え、知財収益を100億円計上(複数年分を一括計上)したことにより3610億円の増収(前年度比3.1%増)だった。

だが、知財収益の計上があったものの、グローバル5Gの戦略受注案件に関する一過性費用の計上や戦略的費用の増加などにより調整後営業損益については、6億円の減益(同比164億円減)となった。

同セグメントのうち、グローバル5Gの売上収益については「国内・海外ともに第4四半期で拡大し、年間予想を達成する」とNECでは見込んでいる。調整後営業利益についても、一過性費用や戦略費用の前年度比増といった不透明要因はあるが、国内向け5Gを中心とした第4四半期の売上拡大により挽回を図るという。

  • 「ネットワークサービス」セグメントの事業状況

    「ネットワークサービス」セグメントの事業状況

説明会に登壇したNEC 執行役員常務 兼 CFOの藤川修氏は、「グローバル5Gの損益など依然としてリスクはあるが、好調なITサービスのアップサイドを取り込むことで、調整後営業利益の年間目標である1856億円の達成を目指す。また、グローバルなOpen RAN(Open Radio Access Network)市場の立ち上がりについても時間がかかる見通しだが、2023年度以降は、最適な費用構造を実現する施策も検討していく」と今後の方針を説明した。

  • NEC 執行役員常務 兼 CFO 藤川修氏

    NEC 執行役員常務 兼 CFO 藤川修氏

セグメントごとの受注動向については、第3四半期単体、第3四半期累計のいずれも前年度比でプラスとなった。ITサービスについては、エンタープライズをはじめ、企業向けの需要が牽引し3Q累計で10%増となった。

第3四半期累計で受注の伸びが大きい「社会公共」セグメントでは都市インフラや中堅中小企業向けの需要が継続し、「グローバル」セグメントではNetcrackerによる大型案件が受注増を牽引した。

藤川氏は、「国内ITサービスは第3四半期までの受注が好調に推移してきた。エンタープライズから始まったITサービスの受注は、2022年から社会公共、中堅中小などと幅広い市場に広がっている。旺盛な需要を背景に、全体の売上・調整後営業利益ともに年間予想からの改善を図れると考えている」と述べた。

  • NEC 2022年度第3四半期の受注動向

    NEC 2022年度第3四半期の受注動向

2022年度の年間業績予想については当初予想から変更はない。1月27日に連結子会社である日本航空電子が業績の下方修正を発表したが、NEC全体でその分をカバーし、引き続き売上収益3兆1300億円、調整後営業利益1850億円を目指す計画だ。

  • 2022年度の年間業績予想(2023年1月30日時点)

    2022年度の年間業績予想(2023年1月30日時点)

DX、行政、航空宇宙などで事業推進の新組織設立

決算説明会では、同日に発表されたNECの指名委員会等設置会社への移行および組織改革についても触れられた。

同社は監督と執行を分離し、取締役会の監督機能を強化することを目的に監査役設置会社から指名委員会等設置会社に移行する。

取締役会は執行役の職務の執行の監督と、同社の経営の基本方針に関する重要事項の審議を通じて経営の方向性を定める役割を担う。業務執行に関しては執行役に権限委譲を行うことで、意思決定と実行を迅速化するねらいだ。

また、取締役会は過半数を独立社外取締役で構成し(社内5名、社外7名)、独立社外取締役が指名委員会・報酬委員会・監査委員会の各委員長を務めることで、経営の透明性・客観性の向上を図る。

  • 企業価値向上に向けたNECの経営基盤改革

    企業価値向上に向けたNECの経営基盤改革

「2025中期経営計画の達成に向けて、2020年からの2年間でさまざまな準備に取り組んできた。残りの3年間で結果を出すために、今回の組織改革を通じて中長期的な企業価値向上を目指す」(藤川氏)

また、今回の組織改革に関連して、グループ横断でDX(デジタルトランスフォーメーション)事業の展開に必要な製品・サービスを一元的に企画・開発・提供する「デジタルプラットフォームビジネスユニット」を新設する。

このほか、市場が拡大する国内の行政デジタル化/ナショナルセキュリティ領域への対応を強化すべく、官公庁や地方自治体向けを中心とした事業を担う「パブリックビジネスユニット」と、航空宇宙・防衛向け事業を担う「エアロスペース・ナショナルセキュリティビジネスユニット」も新たに設置する。