1月に入り、米Microsoft、Google(米Alphabet傘下)と大規模な人員削減が明らかになった。もはや、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)で人員削減を発表していないのは、米Appleのみだ。そこで、1月21日付のWall Street JournalがAppleが(これまでのところ)人員削減を免れている理由を分析している。

相次ぐ大手テック企業の人員削減

ハイテク企業の人員削減のニュースが相次いでいる。クラウドを展開するMicrosoftのSatya Nadella(サティア・ナデラ) CEOは1月18日に「長期的な機会に投資しながら、継続的に結果を出す努力をする」としながら、1万人を削減することを発表した。

20日にはAlphabetとGoogleを率いるSunder Pichai(スンダ―・ピチャイ)氏が「将来のための難しい決定」として、約1万2000人を削減する決定を発表した。

Wall Street Journalは、人員削減の報道をまとめるLayoffs.fyiを引用し、2022年初から米テック業界の人員削減数を20万人と紹介する。

すでに、Amazon、Meta(旧Facebook)も1万人を超える規模の人員削減を明らかにしており、GAFAMの中で人員削減を発表していないのはAppleだけとなっている。

なぜAppleは人員削減しないのか?

Appleが人員削減を行っていない理由としてWall Street Journalは、(1)コロナ中、他のハイテク企業と比べて雇用ペースが緩やかだった、(2)従業員向けの福利厚生が控えめである、(3)ハードウェア製品にフォーカスしており不景気の煽りを受けにくい、という3項目を挙げている。

2019年9月から2022年9月の2年間、Appleの従業員数は20%増加して16万4000人に。同時期に、Amazonは従業員数を倍に、Alphabetは57%増加させたとのこと。Metaも94%増で人員を増やしたほか、GoogleやMetaのように社食を無料にするなどの福利厚生を、Appleは提供していないという。

しかし、Appleの業績が良いかというとそうではなさそうだ。Appleは2月2日に決算発表を行うが、3年以上ぶりの減収となる見通しとWall Street Journalは予想する。

そして、Appleも今後は退職や離職しても補充をしない自然減、そして他の部分のコストカットを行うだろうというアナリストの予想を紹介している。