デル・テクノロジーズが女性起業家を応援するビジネスピッチコンテストを開催

デル・テクノロジーズ(以下、デル)はCSR活動の一環として、女性起業家の活躍を支援するためのネットワーキングプロジェクト「DWEN(Dell Women's Entrepreneur Network)」を2009年からグローバル全体で進めている。現在までに全世界で8万人超の女性起業家がこのプロジェクトに参画しているという。

日本でも2017年にプロジェクトが開始し、これまで500人ほどの起業家が登録しているとのこと。2022年には「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト2022」と題して、事業成長戦略にテクノロジーを取り入れている女性起業家を対象としたビジネスピッチコンテストを初開催した。

このほど、「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト2022」の最終審査の結果、見事上位3社に選ばれた女性起業家の受賞セレモニーが東京都内で開催された。はたして、どのような起業家が選ばれたのだろうか。なお、上位3社には計700万円(第1位400万円、第2位200万円、第3位100万円)相当のデル製品が贈呈される。

  • 授賞式の様子

    授賞式の様子

「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト2022」は2022年9月1日に開始した。11月上旬にはファイナリスト10人が出そろい、特設サイトにて各社が動画でビジネスプランを公開。最終審査は動画視聴者による一般投票によって行われた。今回、ついにその結果が発表されたのだ。

授賞セレモニーに先立ち、デルの代表取締役社長である大塚俊彦氏が以下のように挨拶を述べた。

「DWENによるネットワーキングイベントをリアルに開催するのは約3年ぶりとなるが、本日多くの女性起業家の皆様に参加いただき、その熱量に圧倒されそうだ。DWENは、当社がグローバル全体で最も力を入れているESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンスの頭文字を取ったもの)の取り組みの一つでもあり、今後はますます海外と一体となったつながりを広げられたら」

大塚氏は続けて「現在はDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代とも言われるが、DXやサステナビリティは豊かな社会を作るためにも欠かせない要素だ。受賞者3名を含めファイナリスト10名は、まさにDXとサステナビリティを両輪で進めるフロントランナーだと思っている。心から称賛を送りたい」と、エールを送っていた。

  • デル・テクノロジーズ 代表取締役社長 大塚俊彦氏

    デル・テクノロジーズ 代表取締役社長 大塚俊彦氏

ファイナリストの中から選ばれた上位3社はどこだ?

第3位:ASTRA FOOD PLAN

第3位に選ばれたのは、加熱蒸煎機による食品残渣のアップサイクルとフードロス削減に取り組むASTRA FOOD PLANだ。同社は加熱水蒸気技術を用いた乾燥殺菌装置「加熱蒸煎機」を開発・販売しているフードテックベンチャー。これまで有効活用が困難だった野菜の芯や皮、へたなどの食品残渣を高付加価値な食材にアップサイクルする技術を展開している。

代表取締役の加納千裕氏は「現在は食材が何かしらの製品になった後に捨てられるフードロスが問題視されているが、実はその製品を作る過程で、食品残渣や規格外の農作物など多量の『かくれフードロス』が生じてしまっている。こうした“かくれフードロス”が世間にもっと知ってもらえるよう、情報発信を含めて活動を続けていきたい」と述べていた。

なお、同社はこれまで、食材を粉末化する装置自体を開発して顧客に提案するのみであったようだが、今回のピッチコンテストへの応募をきっかけに事業が一歩進んだそうだ。玉ねぎの残渣の処理に困っていた食品メーカーと共同で玉ねぎパウダーを開発し、大手ベーカリーチェーンから新商品のオニオンブレッドが発売されることが決まったという。

  • ASTRA FOOD PLAN 代表取締役 加納千裕氏

    ASTRA FOOD PLAN 代表取締役 加納千裕氏

第2位:エムスクエア・ラボ

第2位は農業を中心に社会課題の解決を目指すエムスクエア・ラボが選ばれた。EC(Electronic Commerce:電子商取引)と地域共同配送機能が一体となったWebシステム「やさいバス」を2017年に開始したほか、農村の移動・輸送の課題解決に向けて「MobileMover」という小型モビリティロボットを用いたサービスを手掛ける。

代表取締役の加藤百合子氏はトロフィーを受け取ると、「農業という産業は、日々私たちが食べているものを作り出す面白い産業。今回デルの企画でこのような賞をいただけたことで、農業×データ分析や農業×コンピューティングなど、ITと農業の組み合わせによって社会課題解決のためにまた新しい一歩を踏み出せる気がする」と語ると、喜びの表情を見せた。

  • エムスクエア・ラボ 代表取締役 加藤百合子氏

    エムスクエア・ラボ 代表取締役 加藤百合子氏

第1位:mederi

生理不調に悩む女性向けのオンラインピル診療サービスを手掛けるmederiが、栄えある第1位に選ばれた。同社は、代表取締役である坂梨亜里咲氏の「1人でも多くの女性に望むタイミングで妊娠・出産・キャリアを実現してほしい」という強い想いから事業をスタートした。

オンラインピル診療サービス「メデリピル(mederi Pill)」や、企業が費用を負担して希望する社員にオンライン診療や低用量ピル処方を提供する法人向け福利厚生サービス「mederi for biz」などを展開中だ。

坂梨氏は「サービスを開始して約1年が経過し、すでに多くの女性に使っていただけるようになった。現在ユーザーは9万人を超え、毎月2万点ほどの医薬品を届けている。今回のピッチコンテストへの応募をきっかけに、社内外の世の中のツールに意外とデルの製品が使われていることを実感した。今回の受賞からさらに医療のDXを進めていきたい」と決意を新たにしていた様子だった。

  • mederi 代表取締役 坂梨亜里咲氏

    mederi 代表取締役 坂梨亜里咲氏

  • 受賞者らの集合写真

    受賞者らの集合写真