キンドリルジャパンは1月11日、オンラインで同社が提供する「Kyndryl Bridge」「Kyndryl Vital」「Kyndryl Consult」の3つを軸としたサービスに関する記者説明会を開催した。

Kyndryl Bridgeを軸としたサービスの全体像

まず、キンドリルジャパン 専務執行役員 チーフ・ストラテジー・オフィサー ストラテジック・サービス本部長の工藤昌氏が3つのサービスの全体像を説明した。同社では、6つの技術領域(クラウド、メインフレーム、セキュリティ&レジリエンシ―、デジタルワークプレイス、アプリケーション・データ&AI、ネットワーク&エッジ)を重視している。

  • キンドリルジャパン 専務執行役員 チーフ・ストラテジー・オフィサー ストラテジック・サービス本部長の工藤昌氏

    キンドリルジャパン 専務執行役員 チーフ・ストラテジー・オフィサー ストラテジック・サービス本部長の工藤昌氏

そのような中、Kyndryl Bridgeを同社ではデジタル統合プラットフォームと位置付けており、変化の激しいマルチクラウド環境を抽象化し、ビジネスニーズに対応したITソリューションを低コストかつ高速に提供するという。

同サービスは、独自の統合コンソールとAPI、カタログによる統一されたエクスペリエンスをプラットフォーム上で提供している。

具体的にはコンサルテーションやアセスメント、プレイブック、コスト&アセット管理、プロビジョニング、クラウド&コンテナ管理、統合AIOps、エコシステムパートナーとのサービス連携により、認証・許可、請求管理、ビジネスサポート、テクニカルドキュメント、データレイク、データ統合、AI&マシンラーニング、アナリティクス、監視、ロギング、DevOps、セキュリティ運用などを提供している。

  • 「Kyndryl Bridge」の概要

    「Kyndryl Bridge」の概要

既存の環境に対し、インタフェースを提供して監視アラートやイベント情報、クラウドのインシデント情報、障害情報など、さまざまなデータを取り込む。

例えば、インベントリや課金状況をダッシュボードで参照するほか、稼働状況もヘルスインジケータで確認できるため、グローバルナレッジを活用した対処などを可能としている。また、グローバルで集約した膨大なデータを活用してAIによる最適な推奨アクションを提示することに加え、デジタルカタログから最適なソリューションの選択ができるという。

工藤氏は「デジタル統合プラットフォームであるKyndryl Bridgeと、デザイン主導の共同開発が可能なKyndryl Vital、ビジネスの成果主導のコンサルティングであるKyndryl Consultにより、6つの技術領域で運用の高度化が実現できる」と力を込める。

  • 6つの技術領域で運用の高度化が実現できるという

    6つの技術領域で運用の高度化が実現できるという

Kyndryl VitalとKyndryl Consult

続いて、キンドリルジャパン ストラテジック・サービス本部 キンドリルバイタル事業部長の河野正治氏がKyndryl Vitalを解説した。

同サービスは、複雑なビジネス上の課題を解決するための共創体験を提供するというもの。ヒューマンエクスペリエンス、ビジネスニーズ、テクノロジーをふまえ、顧客の将来構想を具現化した戦略を定義する。

河野氏は「当社の専門家とともに対話を通じて、体験・実験・試行を通じて成長に必要不可欠な新たな事業の共創を促す場」と位置付けている。

  • キンドリルジャパン ストラテジック・サービス本部 キンドリルバイタル事業部長の河野正治氏

    キンドリルジャパン ストラテジック・サービス本部 キンドリルバイタル事業部長の河野正治氏

半日~2日の体験を経て、試行、構築、育成、運用改善を8週間の期間で取り組み、ビジョン策定から最先端の手法・技術を用いたスピード感のある変革を支援するという。

  • 「Kyndryl Vital」のアプローチ

    「Kyndryl Vital」のアプローチ

プログラムメニューはビジョン策定支援やデザイン思考をITインフラ向けにカスタマイズした共創型ワークショップなどを行う「未来共創」、現場で使えるアジャイル知識と経験を短期間で取得する実践型ワークショップをはじめとした「人材育成」、データアナリティクス、ゼロトラスト、ローカル5Gといった体験プログラムの「ソリューションデモ・ワークショップ」で構成されている。

  • 「Kyndryl Vital」のプログラムメニュー

    「Kyndryl Vital」のプログラムメニュー

一方、Kyndryl Consultの説明を行ったキンドリルジャパン ストラテジック・サービス本部 コンサルティング&ソリューションデザイン事業部長の志賀徹氏は「従来は、大規模な総入れ替えへの投資や単純なリフト&シフトによるクラウド移行がお客さまのサービス購買パターンだった。しかし、昨今ではビジネス成果の観点から優先順位を決定し、適切なパートナーとの戦略的で反復的な継続改善サイクルを実現するとともに、構想から実装、発展、新しい発見に至るまで、継続的なモダナイゼーション(近代化)の共有文化を創造することに変化している」との認識を示す。

  • キンドリルジャパン ストラテジック・サービス本部 コンサルティング&ソリューションデザイン事業部長の志賀徹氏

    キンドリルジャパン ストラテジック・サービス本部 コンサルティング&ソリューションデザイン事業部長の志賀徹氏

その点、Kyndryl Consultは継続的なモダナイズのカルチャーを共有することで、DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し、コンサルティング主導でテクノロジーサービスを提供できるという。

  • 「Kyndryl Consult」の概要

    「Kyndryl Consult」の概要

構想から設計、実装、発展までの継続的なモダナイズのライフサイクルを提供するとともに、上記の6つの技術領域を含めたストラテジー&インテグレーションにおいてDX推進の具体的な成果を得るために、グローバルのアドバイスでIP資産/知見、評価/推進ツール、実行能力を活かし、支援することを可能としている。

  • 「Kyndryl Consult」の重点分野

    「Kyndryl Consult」の重点分野

一例としてクラウドCoE(Center of Excellence)活動支援やSRE(Site Reliability Engineering:サイト信頼性エンジニアリング)運用モデルコンサルティング、サイバーセキュリティロードマップ策定支援などとなる。

  • 「Kyndryl Consult」の主なコンサルティングテーマ

    「Kyndryl Consult」の主なコンサルティングテーマ

最後に工藤氏は「3つのサービスをスパイラルに回しながら、お客さまに新たな価値を提供していく。これまで長年取り組んできたものをモダンな仕組みに適応できるように再度体系化したことに加え、体制を拡充した。これで終わりではなく、これからも進化を続け、お客さまに大きな価値を提供していく」と締めくくった。