2023年の年頭にあたり、アドビ 代表取締役社長 神谷知信氏は年頭所感として、以下を発表した。

あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年はまさに激動の一年でしたが、デジタルによる変革は引き続き大きく進展しました。昨年11月米国におけるサイバーマンデーのオンライン消費額は昨々年に比べ5.8%増の113億ドルとなり過去最高値を記録しましたし、ハイブリッドな働き方やSDGs実現の上でデジタルツールはより必要不可欠なものとなっております。Web3.0、NFTやMetaverseなど今後さらにデジタルは生活、事業の中心になることは言うまでもありません。

「世界を動かすデジタル体験を」をミッションに掲げるアドビは昨年2022年12月に40周年、日本法人は3月に30周年を迎えました。アドビの歴史はページ記述言語であるAdobe PostScriptから始まり、PhotoshopやIllustratorなどのクリエイティブツールや今では全世界で普及しているPDFを開発し、Adobe Acrobatを発表。その後Webや動画、モバイルコンテンツに必要なアプリケーションを展開し、デジタルマーケティングという分野を確立いたしました。また業界でいち早くクラウド、サブスクリプションビジネスへの転換を行い自身のテクノロジーによってデジタルトランスフォーメーションを進めてきました。

このように長年に渡り事業を継続できているのも多くのお客様やパートナー各社のご支援あってのことです。改めて深く感謝申し上げます。

さて本年ですが、「心、おどる、デジタル」のビジョンのもと、デジタルエコノミー、デジタルトラスト、デジタル人材の三つ領域に対しさらなるリーダーシップを発揮し、クリエイター、マーケターの力を解放することで日本社会をより元気にしていきたいと思っております。

今後さらに加速するデジタルエコノミーにおいて、Creative Cloudで幅広いユーザーの「つくる力」を解き放ち、Document Cloudで文書業務の紙からデジタルへの変革、そしてExperience Cloudによって企業や自治体などのDX支援をお手伝いし、最先端のテクノロジーを日本のお客様へ提供してまいります。

デジタルトラストにおいては、ディープフェイクや盗用などの問題に対抗すべく、3年前に設立し800以上の企業や団体が参画しているコンテンツ認証イニシアチブの国内認知を広げます。PDFの活用によってデジタル文書のセキュリティ強化推進にも取り組んでいます。

そしてデジタル人材の不足は今後国力をも左右する大きな課題の一つです。昨年、東京都教育員会に全ての都立校でAdobe Expressを導入いただきましたが、全国の教育機関にてデジタルクリエイティブツールを使い創造力を向上する取り組みを強化します。またリスキリングについても官民の連携を推進します。

2023年もぜひアドビにご期待ください。最後になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。