data.ai(旧App Annie)は、2023年以降のモバイルアプリに関する5つの市場予測レポートを公開した。

  • 全世界のモバイル広告支出

    全世界のモバイル広告支出

同レポートによると、2023年の全世界のモバイル広告支出は3620億ドルに到達する見込みだという。2022年でAndroid携帯単独の合計利用時間が4兆時間を超えるなどアプリに費やされる時間が増える中、モバイル広告が広告費用の大きなシェアを占めるという。主要なスポーツイベントにより2022年は高い支出を維持し、ショート動画アプリが広告支出を促進すると予想。マーケティング費用の縮小によるパフォーマンスマーケティング支出の下落をブランド広告の支出が下支えするとdata.aiはみている。

ゲームの消費者支出は、景気後退により2022年は5%減少の1,100億ドルになり2023年には1,070億ドルまで減少すると予測。ゲームに対する支出は歴史的にも不景気に強いが、今後予定されているGoogleのプライバシー規制の変更やフィンガープ リンティング取り締まりにより2023年はユーザーエージェントに影響を及ぼし、大口のユーザーにターゲットを絞るのが難しく、アプリ内購入によって収益化するのがより難しくなるという。

  • モバイルゲーム消費者支出

    モバイルゲーム消費者支出

また、2023年は新たに14のアプリおよびゲームが消費者支出20億ドルを突破し、14アプリ中12タイトルがゲームアプリになる見込みだという。2023年は7つのアプリおよびゲームが30億ドルの仲間入りをし、HBO MaxおよびiQIYIが、Disney+、Netflix、Youtube、TikTokに次いで30億ドルを超える動画配信およびショート動画アプリの仲間入りをする見込みだという。

  • 2023年、消費者支出20億ドル超グループのマイルストーン

    2023年、消費者支出20億ドル超グループのマイルストーン

モバイルショッピングは2022年のブラックフライデーに過去最高額を打ち出し、小規模およびDTC小売業者においては、モバイル経由の購入が全世界での売り上げの 73%を占めたという。消費者はモバイルコマースに導かれ、消耗品の購入から体験の購入へと移行するとし、旅行はコロナ後に元の生活に戻るにつれて引き続き支出のシェアを多く占めるようになるという。ライブイベントが家の中のものを買うより優先され、ライブスポーツもリアル・中継の両方で注目されるという。また、2023年は瞑想アプリが成長する見込みだとしている。

  • 2023年成長が見込まれるカテゴリー(2022年1月〜9月の全世界における前年比成長率に基づく)

    2023年成長が見込まれるカテゴリー(2022年1月〜9月の全世界における前年比成長率に基づく)

アプリストアが登場して20年、利用時間は6兆時間を超過し、動画配信およびユーザー生成コンテンツ(UGC)が今後6年間継続して成長を促進するという。中国のサードパーティーAndroidストアが利用時間において引き続き最大のモバイル市場となり、ラテンアメリカ、東南アジア、 中東・北アフリカ地域がエンゲージメントの成長を促進するとしている。

  • 全世界でモバイルに費やされる時間

    全世界でモバイルに費やされる時間