NECは12月15日、顧客の興味や関心などの特性(属性)を、AIを活用して推定することが可能な「消費者属性拡張」技術を開発したと発表した。同社は今後、さまざまな分野で同技術の検証と改良を実施し、2022年度(2022年7月~2023年4月)中の事業化を目指す。
同技術により、マーケティング対象とする顧客の情報を十分に持たない場合でも、Web上のオープンな文書データや他社データから学習した「顧客に似た人」の行動傾向に基づいて、顧客特性を推定することが可能だ。
同技術では、消費者の一般的な行動傾向の知識を、自己教師あり学習(Self-supervised Learning、SSL)を活用して学習し、顧客特性を推定していく。まず「Aを買う人はBという観点を良く気にする」「Cが好きな人はDも好きなことが多い」など、さまざまな分野での消費者の行動傾向に関する情報を、Web上のオープンな文書データから学習する。
次に、学習した行動傾向のモデルに自社顧客のデモグラフィック情報(年齢、性別、居住地などの情報)やサイコグラフィック情報(趣味嗜好やライフタイルなどの情報)を当てはめ、「顧客1はAを買った」という自社のデータから、「Aを買ったのだからBという観点を気にするはずだ」「Bという観点を持つのだからCも好きなはずだ」というように、「顧客に似た人」の行動傾向を基に、段階的に顧客の特性を推論する。
NECとジェーシービーは2022年9月から同技術を消費者向けマーケティング領域に活用する実証実験に取り組み、本格的な技術活用の検討に着手しているという。