トランスコスモス、聖マリアンナ医科大学(聖マリアンナ医大)、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、川崎市は11月30日、聖マリアンナ医大病院が川崎市内に新たに開院する入院棟や、川崎市立多摩病院、および川崎市消防局の救急車両などを用いて、ローカル5G(第5世代移動通信システム)などの先進技術を活用した次世代医療ユースケース創出に向けた実証実験を12月7日から開始すると発表した。
昨今、都市部では救急患者の受け入れ要請数の増加や手術数の増加に伴い、慢性的な医師不足が課題だ。救急患者の受け入れ体制の強化が求められる一方で、医療品質を維持しながらも、医療従事者にとって働きやすい環境や医療に集中できる環境を構築するためにも、医師や看護師の負荷軽減が重要である。
今回の実証実験では、5Gや自律走行ロボットなどの技術を活用して、次世代医療のユースケースを創出し医師不足の解消や医療従事者の負荷軽減を図る。キャリア5Gを活用した救急搬送時の映像伝送による地域医療機関の連携強化、ローカル5Gを活用した医療支援の遠隔化、自律走行ロボットを活用した患者移動の負荷軽減の3つのテーマを実施する予定。
キャリア5Gを活用した救急搬送時の映像伝送による地域医療機関の連携強化では、救急搬送時の患者や救急車両内の映像を高精細カメラとキャリア5Gなどを活用して二次救急や三次救急を担う地域医療機関に伝送して、地域医療機関が連携した適切な搬送先の決定や受け入れ準備が可能かを検証する。
ローカル5Gを活用した医療支援の遠隔化では、内視鏡室や手術室の映像を、高精細カメラ、360度カメラ、内視鏡カメラ、ローカル5Gなどを活用して上級医が待機するオペレーションルームに伝送し、遠隔からの指示出しによって医師の稼働効率や医療品質に与える効果を検証する。
自律走行ロボットを活用した患者移動の負荷軽減においては、自律走行ロボットや、高精細カメラ、360度カメラ、ローカル5Gなどを活用して患者を病室と検査室・リハビリ室間を安全に移動させることで、医師や看護師の稼働に与える効果を確認する。